高宮にとっては最高の展開。
否応なく和了への期待が高まったが、それは終盤のことだった。
大介の最後のツモ。
力を込めてツモ切ったのは、あろうことか高宮が敢えて選択しなかっただった。
結局、高宮の和了牌が場に現れることはなく、無念の流局。
開かれた高宮の手牌を観て、冷汗がにじむ大介。
もしも高宮が両面待ちに取っていれば、大介は高宮に対して5,800+αの失点。
あるいは討ち死にの結末を迎えていたかもしれないことは明らかだ。
逆に、高宮としては千載一遇の機会だった。
大上段に構えていれば、大介を脳天から叩き切れていたくらいの手応えがあったはず。
しかし、それを逃してしまった。
命からがら逃げきった者と、仕留め損なった者。
まさに、紙一重。
わずかな差だが、勝負付けが成されるには十分なものだろう。
高宮の長い連荘はこの後5本場まで続いたが、
たろうが引導を渡す3,000-6,000ツモ。
抗い続けた高宮だったが、あと一歩、届かなかった。
決着までに20局。
対局時間は2時間15分20秒。
結果的には序盤に貯金を積み上げた二人の逃げ切りとなったが、実に濃密な戦いだった。
これぞファイナル。
これぞ麻雀最強戦というゲームだった。
名勝負を演じた4人のプレイヤーに、惜しみない拍手を送りたい。
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