迎えた南3局3本場。
押せ押せムードの高宮、親番を迎えて配牌が躍動している。
この場面、高宮には打点も必要だが、とにかく先手が取れるスピードが何より大事。
大介かたろうに早いテンパイを入れられてしまえば、リーチ→即放銃のコンビプレーで親番を封殺されてしまうからだ。
さながら、この局面は居合斬りの立ち合いのよう。
二人がかりで斬られる前に、一刻も早く抜刀して相手を撫で斬らなくてはならない
が、しかし。
先に刀を抜いたのはトップ目の大介。
カンと待ちは悪いが、なりふり構わず高宮の喉元に刃を突き付けた。
このステージのレギュレーションは「2着権利」。
そのため、トップ目は放銃さえしなければ悪くても2番手はキープできる。
だから、自らが戦いの舞台に降りていかずに静観する打ち手が多いと思う。
だが、大介はリーチ。
高宮が絶対に降りられないことも見越して…ということもあろう。
さて、この判断がどう出るか?
リーチを受けた高宮。
一発で引いたのは無筋の。
当然、これを事も無げに河へ置く。
達観の境地にある高宮。
表情にはいささかの動揺も感じられない。
その覚悟が天に通じたか?
大介の和了牌であるはたろうが一発キャッチ。
そして、
あろうことか次巡にも連続で引き込んでしまい、あっという間に売り切れ御免。
鈴木連合軍には最悪な展開だが、逆に高宮へは猶予が与えられた格好。
しかし…。
見えない角度から2本目の刃を突き付けられる。
刃の主は、高宮と同様に鈴木連合軍の波状攻撃を耐えてきた「ももたん」だ。
トップ取り2連続が優勝条件の全国アマチュア最強位決定戦を2年連続で制覇。
16分の1の2乗、つまり「256回に1度の奇跡」を達してファイナルに進出している。
耐えがたきを耐え、忍び難きを忍びながら、ようやく手にしたチャンス手。
一手替わり789三色の手をヤミテンにし、最後のを引き入れてリーチに漕ぎつけた。
和了牌のは残り1枚。
これを成就させられたら、オーラスの親番に繋げることが出来る。
前後から刀を突き付けられた高宮だったが、
ようやくテンパイ。
ここで高宮は、
待ちの両面にはせず、ノータイムでのシャンポン待ちを選択してリーチとした。
ご覧のとおり、場にが4枚とも切られている上、も2枚飛んでいる。
ソウズの両面待ちでは分が悪いと観るのも当然のことだろう。
さらに、はが3枚見えていて目に見えてワンチャンス。
の4枚切れも相まって狙い目に見える。
ももたんとのめくり合いに持ち込んだ高宮へ、さらに追い風。
ももたんがツモ切ったを、たろうが一発消しのためにチー。
すると、
ももたんのツモ牌であるを食い下げてブロック!
これで大介、ももたんの両者ともカラテンに。