熱論!Mリーグ【Thu】
仲間への思いを胸に
『ミスター木曜日』白鳥翔、
逆転の四暗刻単騎
文・東川亮【木曜担当ライター】2019年12月12日
12月12日、木曜日である。
「大和証券Mリーグ」は原則、月火木金の週4回試合が行われている。
(プラス月に一度、週末開催がある)
木曜日のMリーグ開催は、シーズン中であれば至って普通のことではあるのだが、今年はどうも様相が違う。
何せ、木曜日に恐ろしく勝っている男がいるのだ。
その男の名は、白鳥翔。
先週木曜日の観戦記において、筆者は白鳥が木曜日の試合で全勝していたことから、彼を「ミスター木曜日」と称した。
これに気づけたのは、筆者が木曜日の観戦記担当だったからだ。
もちろん、他に気づいていた方もいらっしゃるかとは思うが。
さて、ジンクスなんていうものは、みんなが気づいたときにはあっさりと終わってしまうのが世の常である。
だからこの日の渋谷ABEMASの先発が白鳥だと発表されたとき、正直に言うと筆者は「さすがに今日は厳しいんじゃないかな」と思っていた。
それが、なんと、まさか。
何が起きたかご存じの方もいるだろう、というかタイトルにもう書いている。
では、タイトルはいったん忘れていただき、白鳥翔の世界線を垣間見てみよう。
第1回戦
西家:小林剛(U-NEXT Pirates)
この試合、「あの瞬間」までは小林のワンサイドゲームだった。
東1局、小林は赤赤内蔵の手でリーチ。テンパイを入れていた寿人からホウテイで8000点を出アガリし、まずはリードを奪う。
続く東2局。小林はこのイーシャンテンから、カン受けを消す打。小林としては2シャンテンくらいの気持ちで構えていたのではないかと思う。のリャンメンが埋まればとのシャンポン待ちだが、両方とも1枚切れ。もちろんその選択もなくはないが・・・
どちらかと言えば、この引きが狙いだったはず。ソーズの4連形にくっついてのリャンメン変化、しかもその中でベストの。これでリャンメン3メンチャン、安パイもある盤石のイーシャンテンになった。
そして引きで注文通りの待ちピンフリーチ。これを一発でツモり、裏ドラ2枚のおまけまでついて4000-8000。たった2局で5万点近くまで点棒を増やした。
小林は南1局1本場でもピンフ赤3を寿人から出アガリし、いよいよトップが濃厚、かに見えた。
さて、「ミスター木曜日」なのだが、この日はどうにも手が入らない。ほぼ参加することのないまま局が進み、最初のアガリは南2局、ラス目の寿人の親をあっさりと蹴る1000点の出アガリだった。4着回避に大きく近づくアガリとはいえ、これまでのような勢いは感じられない。
やっとひとアガリしたあとの南3局。白鳥の配牌はやっぱり冴えないのだが、高打点だけは逃さないよう、打で一気通貫やチャンタ、ホンイツなどの目は残す。
白鳥を突き放しつつ局を進めたい勝又は、大きく点棒を持っている小林に楽をさせないようにする狙いか、字牌を厚く持った変則的な進行。
これがハマって、9巡目にチートイツのテンパイ待ち。前巡に1枚切られたばかりで、つかめばまず出そうな牌だ。
小林も寿人の打ったをでチーしてテンパイ、親番でさらなる加点を狙う。
その頃、あのなんとも言えなかった白鳥の手牌は・・・
四暗刻のイーシャンテンになっていた。マジか。
しかもを引き入れてテンパイ、即リーチ。待ちはが山に1枚あり、四暗刻ツモの可能性も消えてはいない。
さあ、いるのか・・・?
いなかった。
まあ、物事そんなにうまくいってばかりでない。さすがに白鳥の連勝もここまでか・・・そう思った人は多いだろう。なお、白鳥がトップを取れなければ次戦は松本吉弘が出ることになっていたらしく、このあたりでは、いよいよ戦いに向けて気持ちを切り替えていたとか。