グラビアで見せない悔しさを胸に 中田花奈が敗北の中で選んだ最善【Mリーグ2023-24観戦記 2/5】担当記者 #東川亮

ただ、この手番を終えると残りツモ番は1回。【5ソウ】を切らないならテンパイを崩すことになり、ほぼ3着が確定してしまう。

それでも中田は2人の現物、【5ピン】を抜いた。3着を、敗北を自らの手で受け入れた。それが今できる、チームにとっての最善だと判断したからだ。

悔しそうだ。悔しくないはずがない。中田は堅く、下唇を噛みしめていた。

前回の試合で待望のMリーグ初トップを獲得した中田だったが、やはりやすやすと連勝させてくれるほど、甘い舞台ではない。ここまでの12戦では、どちらかと言えば辛いことのほうが多かったはずだ。ただ、そのなかでもがきながら強者に立ち向かう姿には、人を惹きつけるものがある。

中田と高宮はグラビアで素敵な笑顔を見せていたが、やはり卓内で真剣に戦うときの表情は、尊い。Mリーグでしか見られない苦悩を、そして勝負の先にある笑顔を、これからさらに多くの人に見てもらえることを願っている。

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