奮起を誓うセミファイナル 内川幸太郎の 鋭い眼差しの先の最適解【Mリーグ2023-24セミファイナル観戦記 4/8】担当記者 #徳岡明信

セミファイナル6位通過の渋谷ABEMAS。
序盤でマイナスを食らってしまえば、後の戦いがキツくなるだけに
この復活の一撃はとても大きい。

渋谷ABEMASの元気印が幸先の良いトップを取ってチームに活気を与える事が出来るか。

 

南2局

「ポン」

「ポン」

「チー」

またも優が軽快に仕掛けていく。

とは言え、迫力は満点
他家からすれば大三元も警戒しないといけない。

今日の優は仕掛けを駆使して場を支配しようとする場面が良く見受けられる。

この仕掛けに現在ラス目の親の内川も迂回せざるを得なかった。

この局の印象に残ったのが
優の仕掛けも勿論だが、
内川の鋭い眼光であった。

レギュラーシーズンは苦しい状況が続いた。
チームメイトの助けがあって辿り着いたセミファイナル。

何とかここで奮起したい。
また、自身が奮起する事で更にチームに勢いが付くと感じているのであろう。

必至にを切る材料を模索している様に見える。

再びテンパイ。
先程はドラ表示牌の待ちであったが、今度はツモれば三暗刻の勝負手だ。

時間を使って悩む。
こんな鋭い内川の眼光は初めて見たかも知れない。

しかし
出した答えは我慢だ。

やはり待ちを否定出来る材料が少なすぎる。

1巡目から→と手出しでペンチャンが出てきていて
カンチー→打とフォローも効くターツも手に組まれていた優の手牌。

そうなると5巡目以降は全てツモ切りなので
配牌からがトイツの場合だけ大三元が出てくるケースがある。

しかしこれは非常にレアケースで
仮にが配牌からトイツであれば
逃しも激痛になるので第1打がになりそうであるので
実は優にがトイツで入っているケースは薄いのだ。

内川もその読みの元、を切りたがっていたのだろう。

では
なぜ長考した挙句に内川はを切らなかったか、

それは「の単騎待ち」が否定されないからだ。

点数状況も合わせて先程の牌譜をもう1度見て頂きたい。

優の第3打の

のペンチャンターツよりも必要だった事が分かるが、
このより価値がある孤立牌があるのなら
だというのは容易に読みが働く。

更に内川は現在19900点持ちのラス目で
ここで満貫以上の放銃をしてしまうと、ラス確率が大幅に上がってしまう。