太はこのシーンを自身の配信で詳しく解説していた。
太
① まず南家のにポンをかけていないので東家のリャンメン払いは単独ターツが濃厚。
→単騎待ちもあり得る。
② 西家は全員に安牌になるを先に切った後、仕掛けて打としているのでその周りを持っている可能性が高い。→とメンツを持っていそう。
その読みはドンピシャであった。
更に松本が仕掛ける。
露骨な三色の仕掛け。
だがしかし、今回は待ち取りに注目したい。
松本はドラのを切ってペンとした。
が3切れ、が2枚切れと瞬間の単騎待ちは弱い。
また優秀な字牌も残っておらず、それならば2枚切れとは言え山に残っていそうな親の現物待ちの方が良いのではないかと言う判断であった。
(ドラも切りましたよ。さて皆さん、どう見えていますか?)
卓上に語りかけるように今度は松本が主張する。
そして、その問いかけに対して太はしっかりした言葉で振り返っていた。
太
「このは、ほぼ100%に近い確率で暗刻から1枚外しています。」
その理由として
「ドラなしで高打点のテンパイが牌理的に作れないにも関わらず、親に危険すぎるを押していますから。」
続けるように
「整理するととは手の内にあるのに、を頭で使うと言う事はチャンタもついてそう。そうなるとやをチーしていないのでは切れない牌だよね。もちろんペン待ちとかはあるけど、その場合は切りも変だしね。」
1点読みと言って良い程の深い思考であった。
正に逆算から導く読み。
…ん
逆算からと言えば…
話が飛んでしまうが、仲林圭の「逆算から勝つ麻雀」という本の売れ行きが最近あまり伸びていないとの事ですので、興味のある方は是非お手に取って頂きたい。
この局は流局とはなってしまったが、それぞれ会話のないキャッチボールが行ったり来たりして内容の濃い1局であった。
一方で松本にとっては加点チャンスであったが、手痛い流局。
次局の東1局1本場に太からリーチ・・ドラの5,200は5,500の出アガリで嫌な“流れ”を断ち切りたかったが、その前に立ち塞がった敵が現れる。
東3局
太から先制リーチを受けた局。
松本も粘りながらハネマン確定のリーチ追いつくも
ロンの声は太…
からではなく、前巡にテンパイリーチ宣言を入れていた
リーチ・一発・赤の6,400
小林の声であった。
唯一ポイント的に余裕のあるU-NEXTパイレーツの小林。
ど真っ直ぐに行くというよりは、期待値に沿って通りそうな牌を普段通りに取捨選択をし
戦える時はしっかりと勝負する。
隙あればトップを持ち帰るといった、小林らしい一撃であった。
思いがけないカウンターを食らった松本。
しかし、小林の存在に手を焼いたのは松本だけではなかった。
こちらも4位の赤坂ドリブンズを追いかける立場のKONAMI麻雀格闘倶楽部の高宮も苦しめられていたのである。