チームをファイナルへ導くため
戦況を変えた
堀慎吾の一打
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2024年4月23日
第2試合
東家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
南家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:二階堂亜樹(EX風林火山)
北家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
Mリーグ2023セミファイナル18戦目。
オーラスにたどり着いた時には、既に18局を超えるロングゲームとなっていた。
トップ目は仲林。
南場に突入した時点では、8,400点のラス目だった仲林だが、南1局の親番にて9本場に及ぶ大連荘に成功し、6万点オーバーのトップ目になっていた。
続く南2局・南3局も自らアガって局を消化。オーラス突入時、2着の滝沢との点差は52,900点にまで広がっている。
仲林のトップが決まったかと思われたが、最後の関門がまだ待ち構えていた。
堀の親番だ。
現在チーム順位3位とはいえ、4位のドリブンズとはかなりの僅差。
もしここで堀がラスを引くことがあれば、下位チームのターゲットはドリブンズからサクラナイツに変わるだろう。
堀としてもこのまま楽屋に帰るわけにはいかない。
南4局、堀の手牌。
5巡目でメンツが1つも完成しておらず、決して良いとは言えないが、仕掛けができる手なのでまだ可能性は充分にある。
6巡目、仲林から切られたをポン。
次巡、を引いてドラのを切り目一杯に構える。
全力でテンパイを目指す堀を他家は黙って見ていない。
堀が切ったを亜樹がポン。
亜樹は現状2着なので、安くてもアガってこのまま終わりたい。
その直後、滝沢がを切る。
このを堀がすかさずポン。
これで堀はイーシャンテンとなったが、何を切るのがいいだろうか?
を切ればシャンポン・カン・、を切ればカン・・のイーシャンテンになる。
単純な枚数なら前者はが1枚見えている分、後者の方がテンパイ枚数が多い。ただ前者はシャンポンが残るため上家以外から出ても鳴くことができる。
堀の選択はだった。
打の理由について、まずリャンカンになったときに残るカンの場況が非常に良い。
堀から見た河。
仲林が、亜樹がを早々に切っているためを持っていなさそうに見える。
亜樹が上家で、を仕掛けてアガリにきているため、不要そうなはツモ切ってくれそうなのも大きい。
そしてもう1点大きな理由が、他家から見た堀のスピード感だ。
鳴いた後の手牌はリャンカンが残るイーシャンテンだが、他家から見るとどうだろう。
他家から見ると、堀は1枚目のをポンして
ドラを早々に切り飛ばし
をポンして打としている。