【 #神域リーグ2023 第8節第23試合観戦記】リーチと言わなかった風見くく 反抗期も乗り越えて いつかの勝利へ進め【文 #後藤哲冶 】

リーチと言わなかった
風見くく
反抗期も乗り越えて
いつかの勝利へ進め

第8節と佳境に差し掛かっている神域リーグ。
その中で、まだトップはおろか、2位すらもなかなか取れずにいる選手がいる。

風見くく。
全体最下位である20位に沈む風見は、ここまで数多の不運を受けてきた。
確かに、風見はまだ麻雀の経験も浅く、完璧には打てていないかもしれない。
それでも。

何度も監督である渋川から指導を受けて、決して折れることなく、麻雀と向き合ってきた。
初心者である風見に、できるだけわかりやすく指導をする渋川は、風見に「即リーチ」を教えた。
リーチができる状況になったら、なるべくリーチを打て、という指導だ。
確かに、リーチしなければいけない場面をダマにするよりは、よっぽど良い教え。

今日こそ、その成果を出すことができるか。
壁は大きい。けれど、皆が風見の初勝利を待っている。
だから今日も、風見は神域の舞台に立つ。

第23試合
東家 因幡はねる (チームヘラクレス)
南家 風見くく  (チームグラディウス)
西家 鈴木たろう (チームゼウス)
北家 多井隆晴  (チームアキレス)

プロ2人が出場し、奇しくもMリーガーVSななしいんくの構図になった第23試合。
それでも、序盤のリードを得たのは

チームも好調で勢いに乗る因幡だった。
ダブ【東】暗刻の好配牌を手にすると。

「頼む(【6マン】【7マン】【7ソウ】【8ソウ】)重なって~」

この手は【5マン】【8マン】【6ソウ】【9ソウ】が入ってしまうと、東を切らないとリャンメンリーチが打てない。
【東】が3枚から2枚になってしまうと、ダブ東という役が消えてしまう。
しかし【6マン】【7マン】【7ソウ】【8ソウ】を引けば、ダブ【東】暗刻を維持したまま、両面リーチが打てるのだ。

「よおっしゃリーチ!」

因幡の狙い通り、【7マン】を重ねてのダブ東暗刻リーチ。
これならば打点は7700点からの高打点。

しかし簡単には一人旅にさせてくれないのが、今日の相手。
因幡のリーチに対して押していたたろうが、【3ソウ】を引いてテンパイ。
【5ピン】【8ピン】の追いかけリーチだ。
序盤のめくり合いを制したのは

因幡だった。山に3枚あった【9ソウ】をしっかりとツモアガリ、4000オールの加点。
1戦目に引き続き、2戦目でも連続トップを狙える大きなアガリ。

1本場でもダブ【東】対子とドラドラの好材料を持った因幡は、ここからドラの【3マン】をポン。
まだテンパイまでは遠いため、ドラのポンで他家に圧をかけられる良い仕掛けだが……

これを咎めたのがたろう。
カン【4マン】ダマテンを入れていたたろうが、トップ目因幡から5200の直撃。これで勝負はまだわからなくなった。

東2局

風見が5巡目に【3ソウ】を引き入れる。
【2ソウ】が頭で、ペン【3マン】【3ピン】【6ピン】のイーシャンテンだと考えていた風見にとっては、イレギュラーなツモだ。

「ここのくっつき弱くないですか……?」

【1ソウ】【2ソウ】【3ソウ】をメンツとして見た時、1223というくっつきは確かに弱い。
ここは【2ソウ】を打って【1ソウ】【2ソウ】【3ソウ】【4ソウ】【5ソウ】【6ソウ】という形を固定した。

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