誰しもが見たかった、
パイレーツの矛と盾の戦い
【決勝卓】担当記者:江崎しんのすけ 2024年5月19日(日)
誰しもが見たかった、パイレーツの矛と盾の戦い
U-NEXT Piratesの完全勝利で幕を閉じたMリーグ2023シーズン。
ファイナルの感動冷め止まぬ中、Mリーグレギュラーシーズンの成績好調者が集められた麻雀最強戦2024Mリーグスペシャルマッチ。
その決勝卓では、スペシャルマッチの名に恥じないカードが実現した。
同じくU-NEXT Pirates所属の仲林圭だ。
普段は同じチームで切磋琢磨している2人。
その2人が対局する場面は、当然Mリーグでは決して見ることができない。
この2人は、パイレーツ完全優勝の立役者だと言っていい。
今シーズンの予選からファイナルまでの2人の累計の成績を見ると、優が562.1pt。仲林が435.2ptと、2人合わせて1,000pt以上も稼いでいる。
パイレーツの柱となったUKコンビ。
優はその攻撃的な打ち筋から、他の選手では拾えないようなアガリを見せる、パイレーツの矛。
対して仲林はどんな状況でも決して崩れることはない、いわばパイレーツの盾。
その2人が全力で戦う試合。一体どんな一局になるのか__
そんな2人とともに、決勝卓に駒を進めたのは
勝又は優とのMVP争い、そしてファイナル最終戦では仲林と熱戦を繰り広げたばかり。伊達は今期3つ目の個人タイトルを獲得し、予選も断トツでの通過と3人に負けじとも劣らない活躍を見せている。
東場、試合のペースを握ったのは優だった。
東1局1本場、勝又が先制リーチをかける。
リーチ・平和の待ち。打点こそ低いものの、優・仲林が序盤にピンズの真ん中を切っているため場況はとても良い。
実際にはなんと山に6枚生きていた。
そして前局に貯まった供託が3本あるため、2,000点でもアガってしまえば5,300点以上の加点となる。トップしか価値の無い決勝卓では、先制での加点が有利に働くため、ここは何としてもアガりたい。
ただ、供託は勝又が前に出やすい理由になっているのと同じく、他家が押し返す理由にもなる。
優はタンヤオのみの仕掛けを入れていた。
リーチが入った時点でイーシャンテンだが、まず一発目にを押し
次に
と次々に無筋を押していく。
もしこれがMリーグのレギュラーシーズン、あるいは2位以上で勝ち上がりができる予選卓だったら、優もここまで全力プッシュしなかったかもしれない。
非常に倍率の高い予選を幾度と通過するなど、これまで最強戦でも驚異的な成績を残している優は、このトップ取りのルールを非常に得意としている。正にトップ取りのエキスパートなのだ。
勝又から出たをポンしてテンパイ。
勝又と同じ待ちとなり五分の勝負となる。
決着は直後。
優がを引き勝ち、タンヤオの300-500は400-600の供託4,000点を勝ち取る。
決勝卓初アガリを決めトップ目にたった優。
その後も攻撃の手を緩めることはなく、東4局でまたチャンスが訪れる。
3巡目、早くもイーシャンテンとなったが