牌はただ、在りし日のままそこにいて〜新津潔のリーチをめぐる攻防 麻雀最強戦2024【男の花道】観戦記【A卓】文 千嶋辰治

私のようなオールドファンにはどんな和了よりも美しく映ったのだが、現代の麻雀を操る若い人たちはどのように受け取ったのだろうか?

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昭和から平成、そして令和へと時は過ぎた。
麻雀の捉え方も変わった。
打ち手の好みも変わり、あの頃の麻雀の話をすると「根拠のないオカルトや精神論を持ち込むな」と一蹴されてしまうようになった。
それはそれで時代の流れだから、仕方のないことなのだろうと思う。

ただ今日の対局を観て、私は麻雀にワクワクした。
こんな感覚は久しく味わっていない。

令和の世にあの頃を知る打ち手が4人集い、古き良き麻雀がそこで繰り広げられた。
それは、どこかに置きわすれてきた大切なものを思い出させてくれたようなもので、まるで麻雀卓がタイムマシンであったかのような「不思議」な時間だった。

牌は在りし日のまま。
牌はずっとそこにあって、1日たりともその姿を変えたことはない。
打ち手は変わっても、牌はこれからも牌のまま。
ただ、人だけが変わっていく。

牌を取り巻く「時」と「人」。
そこに想いを馳せるのが、麻雀最強戦の醍醐味。
と、私は思う。

そのことを思い出させてくれたレジェンドたちに惜しみない拍手をお贈りしたい。

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