このツモ番を凌げば、連荘が確定する。
しかし、切らなければいけないのは残り2パターンしかないリャンメンの1つである…
とても押せる牌とは思えないが、太の直感ではリャンメンのはそこまで出てくることは無いと感じたらしい。
理由は堀が打った5巡目の。
宣言牌がなので、が出てくる場合は↓のような複合形が多い。
宣言牌の裏筋(今回は宣言牌がなので、その隣の)がロン牌になるパターンの代表例として、このような一盃口受けが残った形が出てくるが、もしこの形が残っていた場合、5巡目の堀の手牌にはとあったことになる。
この形ではが殆ど機能していないため、4巡目の打のところで打になっているのでは? というのが根拠だ。
改めて河を見てみる。
リャンメンのが出てこない場合、愚形への当たりやすさはどうだろうか。
まずシャンポンだが、は場に1枚も出ていないのでのシャンポン待ちはあり得る。のシャンポンはを先に切っているため出てこない可能性が高い。
次にカンチャンだが、これはどちらも出てくるパターンは少なそうだ。
がカンチャンで当たる場合、当然手の中にがあるわけだが、を切って離れてを切ってリーチしているため、手の中にはが1枚以上無いとおかしい。でないと使えないを単独で持っていたことになるからだ。
そうなると手の中にはがあったことになるので、単純なカンではなく、複合形が考えられる。例えばこんな形
この形から別のターツが埋まって切りリーチになれば、カンになる。
しかしこの場合、5巡目の打がおかしくなる。
打ではなく打としておけばとリャンメン含みの形が残るので、打になる可能性が高い。
最後にカンだが、これは一見ありそうに見える。
を引っ張っていた理由も、典型的なからの切りリーチが思い浮かぶだろう。
ただその場合のシャンポン待ちにすることが多く、わざわざカンにするケースは少ない。
カンにするケースを挙げるとすると、たとえば678の三色がつくケース。
シャンポンに受ければリーチのみだが、カンなら678の三色になり打点が上がるケースなどがある。
しかし、今回はが4枚見えたため三色も否定されている。
まとめるとこんな感じだ。
・・・シャンポン待ちはあり得るが、カンチャンは無さそう
・・・シャンポン待ちもカンチャン待ちも無さそう
太は吟味の結果、打を選択した。
このにロンの声がかかる。
開けられた堀の手はリーチドラ2のカン。
5,200点の加点に成功する。
と持っていたならシャンポンにするのでは? と太は読んでいたわけだが、堀はノータイムでカン待ちを選択していた。
リーチ時、堀目線の河がこちら。
堀がシャンポン待ちにしなかった理由は、もう1つの待ちであるドラの場況の悪さだろう。
ポイントは太の6巡目の打と松ヶ瀬の6巡目の打。
松ヶ瀬は字牌の切り巡からもストレートに手を進めており、字牌を全部処理仕切った後にが手の中から出てきたのでピンズの下を持っている可能性が高い。
太も同様に、ポンから・と切った後にを切っているので、は手牌に関連している可能性が高いだろう。
そうなるとどちらか、もしくは最悪2人ともを持っているかもしれなく、山に残っていないかもしれない。
一番最悪なのは太がを2枚持っていて、から打としているパターンだ。
その場合打点が高い親(太)と枚数の少ない待ちでめくり合いをすることになってしまう。
それに比べカンは太が早々にを切ってるため持っている可能性が低く、仮に太とめくり合いになったとしてもが使える形になっておらず止められない出アガれるケースも増える。
手を開けられれば納得の形ではあるものの、太目線ではそこまで読むことはできない。
5,200点の放銃からスタートした太だが、一度もアガリがないままオーラスを迎えていた。
満貫2回の放銃もあり、持ち点はマイナス1万点を下回っていたが、同じく苦しい展開が続いた萩原を300点かわし3着目に浮上していた。
2着が大きく離れてしまったため、至上命題は3着の死守。
打点は必要無い。今日、今シーズン最初のアガリが欲しい。
オーラス6本場は堀以外の3人テンパイで流局。
太もギリギリでテンパイを入れることに成功し、なんとか3着目をキープ。