まとわりつく黒い霧を振り払え
内川幸太郎、志願の連闘の果てに
文・ZERO / 沖中祐也【火曜担当ライター】2023年2月28日
今年で5年目になるMリーグには、未だに破られていないジンクスが存在する。
それは
「レギュラーシーズンを3位以内で通過すると優勝できない」
という摩訶不思議なもの。3位以内×4年間で12チームがこれに該当する。
逆に優勝したチームを列挙すると
2018-19 ドリブンズ 4位通過(-8.7)→優勝
2019-20 Pirates 6位通過(-202.3)→優勝
2020-21 風林火山 4位通過(-108.8)→優勝
2021-22 サクラナイツ6位通過(+177.0)→優勝
いずれも後方からの追い込みであることが分かる。
レギュラーシーズンの成績の重要度がいかに低いかを示すジンクスだといえよう。
そしてもう1つ、Mリーグにまとわりつく呪いとも言えるジンクスがある。
それは
「前年度のチャンピオンチームはファイナルに進出できない」
というもの。
ドリブンズ 優勝→7位レギュラーシーズン敗退
Pirates 優勝→7位レギュラーシーズン敗退
風林火山 優勝→5位セミファイナル敗退
サクラナイツ優勝→???
麻雀がいかに運の要素が強いかを示すジンクスであり、一年たりとも安心できるときはないことを示す。
この呪いに挑戦中の前年度チャンピオン・サクラナイツだが、まとわりつく黒い霧に包まれていくように
マイナス域をさまよい、後方フェニックスまで100pt弱の差と、足音が聞こえるまでになってきた。
黒い霧を振り払うべく、卓に向かったのは…
第1試合
東家:近藤誠一
セガサミーフェニックス
現在、連勝中の内川幸太郎だった。
東1局からピンフドラ3の勝負手が入り、アツい3軒リーチになるも流局。
その供託をかっさらう形で
1000は1300をアガリ、安手ながら持ち点は30000点超える。
次局も300/500で流し、持ってきた親で
先制リーチ。ここまでは順調そのものだったが、
伊達「あ、ツモですぅ! 2000/4000!」
とかわされてしまう。
「俺のじゃねぇか!」
と、悔しがる内川。
多井が
「昨今の伊達・瑞原・伊達・松ヶ瀬・東城には逆らっちゃいけない。俺、同卓拒否するもん」
と本気なのか冗談なのかわからないようなことを言ってた。