茅森早香、跳満の流儀【Mリーグ2024-25観戦記 10/28 第2試合】 #江崎しんのすけ

全員が一斉にアガリに向かっていた局だったが、わずか1巡で白鳥・たろうが離脱し、黒沢・茅森のアガリ競争となる。

茅森は手が進み、【4ピン】【6ピン】のカンチャンと【4ソウ】【7ソウ】のイーシャンテンに

そして12巡、黒沢に通っていない【8ソウ】を引く。

勝負手が入っている茅森だが、ノーテンから無筋は切りたくない。【8ソウ】を取っておけば【5ソウ】【發】を引いたときに比較的安全そうな中筋の6sを切ってテンパイを取ることができる。

そうなるとピンズのリャンカンに手を付けたい

【4ピン】は直前に黒沢と白鳥がツモ切り2枚切れ、【6ピン】もたろうと白鳥が切って2枚切れとなっている。

枚数は互角だが、茅森の選択は

【3ピン】。カン【6ピン】残しだった。

この選択には主に2つの理由がある。

1つは【4ピン】【6ピン】の山に残っている可能性だ。
どちらも2枚ずつ見えているが、【4ピン】はたった今通ったばかりなのに対して、【6ピン】はたろうが少し前に通している。

白鳥とたろうはだいぶ前から黒沢の仕掛けに対応しており、【6ピン】も既に切っているため、もし今手の中に【6ピン】があったなら先に切っているだろう。対して【4ピン】はたった今通ったばかりなので、ここまで手の中に残していた可能性がある。

実際に白鳥の手の中に【4ピン】が1枚残っており、【6ピン】2枚に対して4p1枚だった。

そして2つ目がたろうから直撃が取れる可能性だ。

茅森は7巡目に【8ピン】を切っており、【3ピン】を先に切って最終形にカン【6ピン】(【5ピン】【7ピン】)が残っていた場合、他家からするとかなり読みにくい。

【7ソウ】が入れば一盃口ができるので問題ないが、【4ソウ】が入るとリーチをしても裏ドラが無ければ5,200点にしかならず、たろうからの直撃しか逆転できない。

本線はリーチ・ツモ・赤2の満貫としつつ、自身のツモ筋にアガリ牌がいなかったときの保険をかけた一打だ。

この一打が功を奏す。

次巡のツモはなんと【6ピン】
もし前巡にカン【4ピン】を残していたらテンパイを入れられなかったことになる。

【發】【5ソウ】のシャンポン待ちも有りだが、【發】の所在が読めないため、【4ソウ】【7ソウ】でのリーチを選択する。

その直後、黒沢もようやくテンパイ。

【1ピン】【8マン】のシャンポン待ちで、18,000点の超大物手だ。

そしてその後、形式テンパイを入れたたろうが、最終手番で【6ピン】を切って【中】単騎の形式テンパイを取る。

たろうは海底ロンの可能性を残してあえて現物の【中】を切らずに通りそうな【6ピン】を切ったのだが、もし茅森にカン【6ピン】が残っていたらこの【6ピン】を捉えられていただろう。

残すは茅森の海底のみ。
茅森の【4ソウ】【7ソウ】、黒沢の【1ピン】【8マン】、そしてたろうの【中】単騎、全て山に1枚づつ残っていた。

勝利を掴みとったのは茅森だった。
海底で【7ソウ】をツモり上げ、リーチ・ツモ・海底撈月・一盃口・ドラ3の跳満で見事逆転を決める。

チームポイント400目前となる大きな1勝を上げた。

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