茅森早香、跳満の流儀【Mリーグ2024-25観戦記 10/28 第2試合】 #江崎しんのすけ

茅森早香跳満の流儀

文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2024年10月28日

第2試合

東家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
南家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
西家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
北家:黒沢咲(TEAM雷電)

Mリーグ2024レギュラーシーズンは早くも50戦目を迎えた。
オーラスの点数状況はこちら。

上と下が大きく離れている。
トップ目のたろうは50,500点で2着目の茅森は40,700点とその差は9,800点。満貫のツモアガリで逆転することができる。

そして3着目の白鳥が8,000点でラス目で親番の黒沢が800点となっている。黒沢は当然親番を続ければトップだって狙えるが、上が競っているため時間的な猶予が無いことはわかっている。せめて1回のアガリで白鳥をまくるくらいの打点がほしい。

対して白鳥は2着と32,700点差と逆転がかなり難しいため、ミッションは3着維持だ。ただ自身がアガらずとも、たろう・茅森がアガれば3着をキープすることができるため、攻め一辺倒というわけにはいかず押し引きが難しい。

最初に動きを見せたのは黒沢。

白鳥が切ったドラの【東】をポン。
蓋を開ければ少し時間のかかりそうな仕掛けだが、周りから見ればそんなことは分からないため緊張感が漂う。

ドラの【東】を切った白鳥は

メンツ手・チートイツどちらも見える手だが、先述の通り黒沢の親を落として終局させたいため、本線はタンヤオ仕掛けだろう。

そして呼応するようにたろうも仕掛ける。

黒沢が切った【2マン】をポン。
怖い親の現物だが、ポンすることでイーシャンテンになるため、リスクを負って前に出る。

そして次巡あっさりテンパイ。

カン【4マン】。出ればその地点でたろうのトップが確定する。

白鳥の手はタンヤオを目指したいが、【2マン】がたろうにポンされているため、【3マン】【4マン】を払っていく手順も充分に考えられる。

が、ターツが足りた黒沢が孤立の赤【赤5マン】を切り、白鳥が345でチーする。黒沢から見れば競争相手が一手進んでしまったように見えるが、結果としてたろうのアガリ牌が出なくなる。

そして茅森。

満貫ツモ条件の茅森だが、待望の2枚目の赤ドラを引き入れ打点の条件をクリアする。【南】を切ってイーシャンテンに。

この南を黒沢がポンして打【2ピン】
目に見えているだけで【東】【南】ドラ3と12,000点以上が確定しており迫力満点だ。

その直後

同じ巡目に白鳥・たろうが【1ピン】を引く。

白鳥目線での河がこちら。

序盤に【5ピン】を切っていた黒沢が、赤【赤5マン】を切った後に【南】をポンして【2ピン】を切っている。【2ピン】は高確率で手に関連している。

【赤5マン】を切っているのでターツが足りており、2副露目なのでテンパっていてもおかしくはない。その場合【1ピン】は本命の1つだ。

タンヤオ仕掛けに踏み切った直後のため、【1ピン】を押すか完全に撤退するかのどちらかしかない白鳥だが、【1ピン】が危険すぎるため断腸の思いで撤退を選択。

同じくたろうも撤退する。

白鳥よりもたろうの方が選択が難しい。
【1ピン】が非常に危険なのは2人とも変わりはないが、たろうは既にテンパイしているのに加え、もし降りてしまうと茅森・黒沢のアガリ率が上がってしまうため、捲られるケースが増えてしまうからだ。

しかし黒沢の目に見えている打点があまりにも高すぎる。【東】【南】ドラ3にトイトイ・赤ドラがあと1枚加われば最悪24,000点だってあり得る手だ。放銃した時は順位点の損失はもちろん、失う素点も大きすぎる。

そして黒沢が仮にテンパイしておらず、【1ピン】をトイツで持っていた場合、たろうが【1ピン】を切らないことで黒沢のテンパイ率を下げることができる。

その直後、白鳥がツモ切ったのは【4マン】
あと1巡早ければ、たろうが【4マン】で1,000点をアガって局が終了する未来もあった。

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