瑞原明奈を追い詰めた、渋川難波の「粘り力」【Mリーグ2024-25観戦記 10/29 第2試合】担当記者 #髙倉拓馬

・リーチ棒で勝又が満貫ツモ、直撃のトップ条件を満たしてくるため、を鳴かれて攻撃してくる可能性がある

そして何より

・最後まで降りられなくなる

・流局時にノーテンを選択できず、もう1局ほぼ同様の状況を強いられる

ため、

瑞原は若干固めに打ダマを選択した。

これを伊達がポン。3900直撃、1000-2000ツモで3着に浮上できるが、ここで打ったが

瑞原のアガリ。これでトップ率が著しく上がり、

この配牌でダメ押し。

ここから瑞原の一人旅が始まった。

伊達から4800は6000をあがった南4局5本場。

先ほどまでトップ争いを繰り広げていたはずの瑞原は遥か彼方先へ。

渋川、今度は勝又との点差を気にしなければいけなくなった。

この親を積極的に流してくれるのは、渋川本人と伊達くらいしかいない。

をポンして、全力のアガリに向かっていった。

北家の伊達も仕掛ける。被害は最小に留めていかねばなるまい。

この渋川のツモ切りは、勝又への危険牌処理兼伊達へのアシスト。

複数枚持っているダブル無筋を打つことで、伊達に鳴いてもらって二人であがることを目論んでいる。

自分がドラのを打っているため、伊達が高い可能性も薄い。

伊達はをで鳴いて打。

次巡、伊達がのトイツ落とし。

そこで渋川、トイツのとを入れ替え、さらにアシスト。

のトイツ落としが入っていて、マンズのどこかは鳴かれそうな雰囲気である。を打ち、次はを打つか、それとも自分のアガリが早いかを比べることになるだろう。

伊達はこれをチーして打。

渋川はすかさずを打ち、

伊達に差し込み成功。なんとか2着にしがみついて終えた。

真剣なまなざしで卓に向かう2人も、インタビューではいつも通りの和やかな表情。

4000オールをあがった後は苦しかった渋川。本人もインタビューで語っていたが、「粘り力」が発揮された半荘だったと思う。

パイレーツ、今期初のデイリーダブル立役者となった瑞原。大きなトップで個人成績はプラスになった。

「ポイントの変動が大きいルールなので一喜一憂せず戦い続けたい」と瑞原は語る。毎年レギュラーシーズンで大きなプラスポイントを持ち帰る瑞原、今後はその変動が上に動くことを願って戦う。

レギュラーシーズンはこれでおおよそ1/4が終わった。

上下は800ポイントほど離れているが、残り3/4ということは、あとここまでの3回分動くともいえる。

ただ、やはり序盤戦を有利に進めたチームは、のちのち余裕を持って戦えることも事実。

さらに抜け出すチームはどこか。今後もご注目いただきたい。