を河に並べた。
そして、を望む園田が持ってきたのは、
だ…!
これは菅原のアガリ牌。
園田は、ノータイムで、
を切ってテンパイを崩した!!
先に述べたが、役牌を処理していく過程で、「菅原にが危ない」という考えが園田の中で固まっていたのだろう。
実際にはが後重なりであったが、役牌の候補の絞り込み自体は合っており、これは間違いなくファインプレーと言えよう。
興奮のるつぼと化した会場に、
『名勝負製造機かよ!!』
という日吉の声が鳴り響く。
減りゆく山の中に、ドラマの種がまだ眠っていた。
菅原は、
終盤に、危険牌のを持ってくる。
意を決して菅原は、
を切っ…
「ポン」
この高速ポンの主は、
もちろん園田だ!
鳴いてから、
を止めての形式テンパイ!
滝沢の一人ノーテンで流局すれば、園田はトップ目に立った状態で連荘出来る。
この動きによって、
菅原のもとへが飛びこんで来た。
切るしかない。
「ロン」
もし、園田がどこかで違うルート分岐を選んで、ベタオリをしていたなら、松ヶ瀬がをツモってトップになっていたかもしれない。
また、園田がテンパイからを打っていれば、菅原が2着に浮上していたことだろう。
ただ、全ては「たられば」の世界──ではなく、
「卓上の魔術師」園田賢が、やれることを全部やって作り上げた世界線の中で、起こった「結果」なのだ。
2着でもインタビューに呼ばれて、
やはり饒舌な園田。
息継ぎなしの園田トークを間近で浴びて、トップの滝沢は、こう語っていた。
「僕も元気をもらいました」
試合後にはみんなを笑顔にする、とにかく明るい園田賢なのであった。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite