中筋となったを離してイーシャンテンをキープして粘り込む。
すると、
これまで出番があまりなかった黒沢に高打点テンパイが入り、これを即リーチとする。
黒沢に打ち上げるとよもやの着順降下の可能性も。
だから、こんな時は場を明け渡してラス回避に向かうこともチームポイント最大化のためには必要な選択。
しかし、リーチ棒が場に2本置かれたことで、浅見の条件はハネ満ツモへと1段階だけイージーに。
浅見、単騎で勝負に! ツモれば裏ドラ不問でトップというこの場面で、
浅見の単騎待ちはなんと全て山の中!
浅見が自らそれを掘り当てさえすれば、前人未到の6連勝達成だ。
元太の意地か。
黒沢の飽くなき高打点への執念か。
それとも、浅見の思いが岩をも貫くのか。
三者によるめくり合いの決着は、
先行リーチの元太に凱歌。
「先日、堂岐が大三元放銃などで大きな失点を喫した。連続4位は絶対に引けないので今日は力が入った。」
こう語る元太が浅見の前に立ちはだかり、大記録は露と消えた。
ところで、浅見の愛称にある「バイプレイヤー」とは、主役を助ける脇役を指す。
しかし、この言葉は「主役になれないから」脇役を務めているというような消極的な意味ではない。
バイプレイヤーとて、自分の人生という物語の中では主人公。
その輝かしい時間を必死に駆け抜けた浅見真紀。
新記録樹立とはならなかったが、我々観戦者の心にその活躍は深く刻まれたのではないだろうか。
それにしても、山に3枚残りのよりも、地獄待ちの単騎が先にいるとは…。
浅見の無念に言葉を失う思いをした第1試合だった。