鈴木優、戦闘民族が逆境から見出した勝ち筋【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 3/10 第1試合】担当記者 中野巧

鈴木優
戦闘民族が逆境から
見出した勝ち筋

文・中野巧【火曜担当ライター】2026年3月10日

レギュラーシーズンもあとわずか。レギュレーションでは上位6位のチームはセミファイナルへ進出し、それ以外は敗退となる。7位以下のチームは目下6位のスコアを目標に戦う。今年はかなり縦長の展開になっているため、直接対決時はいかに自身がトップかつ、ライバルチームの着順を下にするか、と考えるのだが、そこは麻雀。なかなか思い通りにならない。

今回の対戦カードは、現在1位、4位、8位、10位のチームのため、上位チームは無理をせず、場合によってはトップでなく2着よしといった様々な選択が取れるため有利だ。反対に下位のチームはもうトップ以外は間に合わないため、強引にでもトップを目指す選択をするため、選択肢が少ない。何事も選択肢が多い方が有利で、特大トップが欲しい2チームにとって、上位2チームはとても大きな壁と感じるだろう。

第1試合

東家:鈴木優U-NEXT Pirates
南家:竹内元太セガサミーフェニックス
西家:岡田紗佳KADOKAWAサクラナイツ
北家:内川幸太郎EX風林火山

 

第1試合の結果はこちら。
6位を目指すならトップ条件、今季はアガリが遠かった優が、戦闘民族の肩書通りの押しでトップをもぎ取った。
2着はこちらも同じくトップ条件の岡田が、オーラスには裏ドラが乗れば逆転、という手を作り上げたが、祈り届かず。本来であれば2着は悪くない結果も、彼女の表情は暗かった。
3着は序盤から軽いアガリで局を進行させていた、内川に。1位のチームにとって3着はそこまで悪くない結果であり、ポイントを持っているプレイヤーの有利さを示すような結果となった。
4着は元太。チーム順位は4位だが、7位と約210ポイント差と油断できない立場からして痛恨のラス。ラス回避率の高い元太だが、今日は手が入るのだが、先に相手のアガリ牌を掴んでしまう。

ここからは個人的に優がトップを取れるかどうかの分岐点と感じた局を見ていきたい。

■供託を意識した選択

南1局、優の親番で前局が流れて、リーチ棒2本が供託にある場面。10巡目にタンヤオとドラ3枚があるチートイツの1シャンテン。メンゼンで仕上げれば高打点が狙える手が入る。

優はここからチーしてドラを切った。チートイツはアガれば高いものの、テンパイやアガリ率の低さと、供託2本という周りもアガリ重視で進めてくる場面のため、速度を重視した。

実際このときほか3名は1シャンテンで、内川にはリャンメンテンパイが入る。

直後、優もテンパイ。リーチ一発目だが、通っていない両方が無筋の牌を切っていく。

すぐに岡田もテンパイも待ちは山に0枚。

結果は、内川が優の当たり牌を掴み放銃。5800の1本場6100、これにリーチ棒3本で8800点と子のマンガン以上の収入となった。優はこのアガリから連荘を重ね、結果的にこのアガリがなければ、最後岡田のマンガンツモで逆転されていた可能性すらあった。あのときチートイツを見切ってドラを切らないと、このアガリは生まれていない。
彼の鋭い嗅覚により、3人の手の進行具合、点数状況によるアガリ優位の判断、有効牌の山読み、すべてがつながっていると感じた。彼の強さは、どんな状況であっても冷静にそれらを総合的に判断し、必ず勝ち筋を見つけてくるところだろう。

何事も選択肢が多い方が有利であるが、特に応援しているチーム、選手が逆境からトップを取るところを見られるのも麻雀の良さかもしれない。ポイント状況が厳しいチームであっても、残りの試合では応援してくれているファンのために、来期につながるような麻雀をみせてくれるだろう。

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