控え室にも、スタジオの静寂な中に潜む熱気が流れてくる。

ここまで苦しみ、悔しさを噛み締めてきた皆んなの鬱憤を晴らす一撃のアガリ。今はその使命を背負うのは大介という漢。その瞬間をチームメイト・サポーターが固唾を飲んで見守る。しかし、その結末は──。

2/14の確率の壁は越えられず。
最後のツモ牌は、無情にもオタ風のであった。

振り返り配信では
大介
「正直、個人戦であったら今まで通りを切っていたと思う。でも、皆んなの期待やチーム状況を考えたら素点の48,000点は取りこぼせないかなと。だから、あの結果は受け入れているよ。」

確かに、を切れば
でのツモアガリの道は開けていた。しかし、それでも応援するファンの誰一人として、この選択を否定する者はいないだろう。
大介は、多くの想いを体現し、結果に左右されることなく、揺るぎない姿勢で次局へと歩みを進めていた。
東2局

自風のがトイツとなりイーシャンテン。
瞬間の受け入れの広さだけだったらであったが

を選択する。

この打牌理由について、振り返り対局配信では
大介
「出やすいが放たれた時はポンして、打
切りが自分のスタイル。ドラ周りのピンズの伸びを見ながらでしたね。」
この選択が功を奏し、ドラのを引き寄せつつシャンテンをキープ。そして、絶妙なタイミングでポンテンへと持ち込むと

・赤・ドラ2
2,000・4,000
大介らしい手順で加点に成功し、開局の重苦しい流れを断ち切ったのだった。
東4局1本場では

4巡目のターツ・オーバーでの選択では打。いわゆる“6ブロック”とした一打が秀逸となる。
基本的に、この打法は色々な手役を見たい時に有効となるが、もう一つのメリットが…

特に序盤などで、ターツが選べない時に効いてくる。狙い通りカンを引き当てると

流れるようにマンガンをツモり、一気にトップ目へと躍り出た。
残すところ僅か20戦ほどになり、レギュラーシーズンも終盤戦へと突入している。そして、一戦たりともトップの取りこぼしのできないBEAST X。
南3局2本場

点況は、自身が40,000点オーバーとリードし、三者は20,000点前後で接戦を繰り広げている。まさに理想的な展開と言って良いだろう。さらに、子の堀から先制リーチが入っている。むしろ局を流す為に、リーチを入れさせているとも言えるかもしれない。
当然、リーチ者は現状2着目の堀なので、ここは直撃を嫌い受けに回るのがセオリー。しかし──。数秒後、思わず目を見張るような光景が広がっていた。

「バシッ! リーチ!!」

その声の主、それは大介という更なる高みを見据えた“ブルドーザー”であった。それもではなく両筋にかかる
が宣言牌。
リーチ者の堀はもちろん、見ている視聴者もきっと驚いた事であろう。

インタビュー席では
「手応えもありましたし、と
の危険度は
の手出しの切り順からも大差ありませんでした。私の麻雀観ではリーチかなと。」
発足時では
“獣のような攻撃的な麻雀”
をテーマに創り上げられたチーム。
普通なら… とか無難ならば。
ゲームの性質上、当たり前の選択をすると必ずどこかで裏目を引くのが麻雀。
大事な局面においては、その裏目を引く選択肢も取らないと勝てない事もあるだろう。
“誰かの常識は誰かの非常識”
その壁をぶち壊す存在こそ
“二刀流ブルドーザー”の魅力なのかもしれない。