渋川難波と白鳥翔。二人が必死に手繰り寄せた蜘蛛の糸。その先に続くのは……【Mリーグ2024-25観戦記 3/20 第1試合】担当記者 渡邉浩史郎

渋川が生かす! 太のホンイツ・白鳥のリーチにぶつけていった七対子は僥倖のツモ裏裏!!

親番でもメンピンツモの加点に成功し、さらに点差を広げる!

南一局から一転、完璧な並びを作られてしまう。
このまま終われば100ポイント詰められていよいよ俵に足がかかる。

【南3局】

このままでは終われない白鳥。そこにやってきたこの手牌。【1ソウ】を切って3対子残しておくと、【中】をポンした後にポン材を残せるが……

白鳥の選択は打【2ピン】。ソウズの景色良しと見て、ここはドラ受けを固定する6ブロックに受ける。

マンズを仕掛けている渋川がドラの【3ピン】をツモ切って、これをチー。
これは当然両面をのこ……

さない! マンズの【7マン】【8マン】を落としていく!

一枚見えのカン【2ソウ】は場況がいいとはいえ、今【4ソウ】を切った茅森には未知数。
さらには渋川以外から切られても鳴けないため、ネックに成り得る。
それでもここは全体に安全なブロックや一気通貫変化としての意味合いもあり、マンズの両面落としという荒業を敢行していく。

狙い通りの一気通貫変化を引けたが、渋川が今手出しした【4マン】余らせが剣呑。
一旦【9ソウ】切りでの保留を選択。

しかし次巡の【3ソウ】手出しで再び状況は一変。
白鳥の脳裏にはっきりとよぎる。
「しぶ、マンズの染め手じゃないな?」
さらに【8マン】の対子落としで受けたムードも漂ってくる。

誰も聴牌していないならどんな牌も切れる。
狙い通りのカン【2ソウ】も引き入れて、この局一人聴牌で茅森の上に立つ。これだけで順位点20pt分の価値がある、大きな聴牌料だ。

さらに【南4局】の親番。渋川のトップを決める6枚山聴牌を、同じく6枚山聴牌で捲り合いを制する!

これで太にトップを取ってもらう選択肢も出てきた【南4局1本場】

その白鳥の手が……

このドラドラのタンヤオが見える勝負手。和了れば着落ちリスクが少なくなり、トップへの挑戦権、いやトップそのものすら瞬間あり得る。

さて白鳥に太という和了ってもらってもいい”味方”がいるように、実は渋川にも茅森に和了ってもらって白鳥の着順を落としてもらうという”味方”がいる。

その茅森の手牌が……

良い! いやこれでは渋川にとっては良すぎて悪い!

茅森の倍満ツモだけは自身のトップが捲られてしまう。さらに3900は4800なら打てるが8000は8900が打てないのもまた絶妙な点差。ドラが【8ピン】タンヤオ牌ということもあり、放銃はなかなか選べない。

結局孤軍奮闘の渋川。【8マン】を引いて三色イーシャンテンになったところで……

白鳥の切った【1ソウ】をポン、ドラの【8ピン】の三色片アガリの聴牌を取った。
局面的には誰からでも出ておかしくないドラであるため、渋川も覚悟の一局とした。
次巡、祈るように渋川が持ってきた、その牌は……

無情な和了れない方、【5ピン】。当然ツモ切って、フリテンに受けるしかないのだが……

これが白鳥に聴牌を入れる。待ちは【6ソウ】【8ピン】
【6ソウ】は山にないため、事実上【8ピン】の捲り合い。ここにきて直接対決の二人が、同じ牌を山から掘る作業に突入した。
しかし茅森や太から出た【8ピン】をアガれない以上、圧倒的に不利なのは渋川。

この勝負、手繰り寄せたのは……

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