逆風を切り裂く純白の一刺し 伊達朱里紗がつないだ希望【Mリーグ2024-25セミファイナル観戦記 4/28 第1試合】担当記者 #東川亮

太は現物【2マン】を切ってテンパイ取らず。無スジの【6マン】切りはあまりにも目立ち、現物と言えども瑞原・松本から警戒されてしまうと考えたという。

だが、伊達から出た【6ソウ】はポン。現物【3マン】を切って、リスクを冒さずテンパイを取ることに成功した。太の思惑がはまったかのように見えたが・・・。

なんとこのポンで、ラス牌の【白】が伊達の元に。

リーチツモチートイツドラドラ、裏ドラは乗らずとも起死回生の6000は6100オールで、伊達が一気にトップ目まで浮上。

これまでに何度も強烈なアガリを見せてきた伊達だが、この土壇場での鋭いアガリには感服するほかない。

次局は太が瑞原から2600は3200をアガり、伊達を再逆転してオーラスへ。伊達は2600点差で太を追う。もちろん、目指すは逆転トップ。

しかし、この局の先手を取ったのは瑞原だった。カン【7マン】待ちリーチ、ツモか松本からの直撃で3着浮上という手だが、それは伊達には分からない。

リーチ後、伊達の手はくっつきの1シャンテンに。

瑞原のリーチによって出アガリ2000点で単独トップとなるが、切る牌はどれも瑞原に通っていないし、最終的にドラが出ていくテンパイ形になることも十分考えられる。

巡目、そして持ち点との兼ね合いもあっただろう。

伊達は【6ソウ】を中抜きしてオリを選択した。

トップが欲しいのは当然だが、ここからリスクを負ったところでどこまでアガリが見こめるのか。そしてこのまま終わって2着という結果は、ベストとは言えないにせよ、あと1戦残っていることを考えれば許容範囲であり、この2着をみすみす手放してしまうことこそが最悪。

伊達は最後まで冷静だった。

直後、松本が【7マン】を打って試合終了。

伊達はトップとはならなかったが、チームにプラスを持ち帰ることに成功した。南3局を迎えた段階を考えれば、上々の戦果と言っていいだろう。

苦しいなかでもやることはやった。ファンと共に、残り1戦は仲間に託す。

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