逆風を切り裂く純白の一刺し 伊達朱里紗がつないだ希望【Mリーグ2024-25セミファイナル観戦記 4/28 第1試合】担当記者 #東川亮

逆風を切り裂く純白の一刺し 

伊達朱里紗がつないだ希望

文・東川亮【火曜担当ライター】2025年4月29日

朝日新聞Mリーグ2024-25セミファイナルも大詰めも迎え、KONAMI麻雀格闘倶楽部渋谷ABEMASは4月29日の2試合で一足早く全日程を終える。

この日の焦点となるのは、なんといっても麻雀格闘倶楽部TEAM雷電によるファイナル進出争いだ。前日の試合で雷電に抜かれて5位に後退、この日の2戦の結果をもって、最終日の戦いを見守ることとなる。他力ではあるが、少なくとも雷電に楽をさせない条件を突きつけたい。

初戦を任されたのは、伊達朱里紗

ここに出てくるという一点だけでも彼女のチーム内における信頼が感じられるし、Mリーグファンからしても、彼女の起用に異論のあるものはおそらくいないだろう。

伊達は今や、それほどの存在感をMリーグで放っている。

第1試合

東家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)

南家:瑞原明奈 (U-NEXT Pirates)

西家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)

北家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)

麻雀格闘倶楽部にとって、できればトップがほしい試合。

しかし、それが簡単にできるほど麻雀は思い通りになるゲームではないし、それをさせてくれる相手でもない。

試合は序盤から、伊達に逆風が吹き続ける展開となった。

東1局は瑞原と1枚同士のめくり合いになるも、相手のロン牌をつかんで放銃。

東3局の親番では松本のリーチに1シャンテンから【發】を暗槓、【5マン】【8マン】待ちテンパイまで持っていくも、

アガリ牌は脇に流れ、松本の2000-4000ツモを親かぶってラス目に後退。

その後も太のハネ満ツモ、

瑞原の満貫ツモ、

松本のハネ満ツモと高打点のツモアガリが続き、

南3局の親番を迎えるまでに伊達のアガリはなく、持ち点は1万点を割っていた。いかに強者と言えど、ツモアガリを回避することは不可能。もちろん麻雀ではよくあることとは言え、「今じゃなくていいだろう」というファンの声も聞こえてきそうだが、

そんな状況でも幾度となく状況をひっくり返してきたのが、伊達朱里紗という打ち手である。

思いを込めて開かれた配牌は・・・

いい。

配牌でリャンメン2つの1シャンテン。

スムーズにリーチまでたどり着き、

追っかけリーチの松本から出アガって5800、親番をつなぐ。

南3局1本場は、ドラの【白】を1枚抱えながらの進行。もちろん親なのでアガリは優先したいが、アガるにしても打点は欲しいし、ドラの【白】を切って鳴かれたら状況は極めて厳しくなる。

6巡目に【8マン】を重ねて、1シャンテン。ここから何を切るか。

伊達は打【4ピン】、メンツ手を見切ってチートイツ一本に絞る選択をとった。メンツ手であればツモり三暗刻での高打点は残るが、受け入れが極めて限定されてしまう。チートイツも受け入れは狭いが、三暗刻と違って残す牌を選ぶことが可能だし、何より【白】をほぼ確実に使えるようになる。

この決断がハマった。【5ピン】を重ねて【白】単騎のリーチ。

【白】は瑞原と松本が1枚ずつ持っていて、山には残り1枚。

この後の、トップ目・太の進行が面白かった。【3ソウ】【6ソウ】【6マン】を切れば1シャンテンとなるが、いずれも全く通っておらず、いったんワンチャンスの【3ピン】トイツ落としで回る。

【4ソウ】【6ソウ】と引いて【2ソウ】【5ソウ】待ちテンパイ。リャンメン待ちかつ【5ソウ】がリーチの伊達の現物で、待ちとしては申し分なさそうに見えるが、

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