渋谷ABEMAS「普通に打っている強いABEMASを見てほしい」Mリーグ2024-25 閉幕イベント囲み取材

(左から)

日向藍子 白鳥翔 多井隆晴  松本吉弘 塚本泰隆監督
©Mリーグ

 

多井隆晴

「僕はこのチームができて、Mリーグが発足してからずっと勝っていて、1回レギュラーシーズンで少しマイナスした年もあったんですけど、その年もセミファイナル・ファイナルと結構勝って優勝しました。マイナスしたことがあまりなかったんですけど、麻雀は運の要素も強いですから、やっぱりいつかは僕も大きくマイナスする年が来るだろう、その時にはチームメイトの3人が頑張って僕を助けてね、みたいな話はしていました。特に白鳥・松本は、いつか僕が負ける年も来るから、そのときは俺らが頑張ろうな、ぐらいのことは言っていたみたいなので、心構えとしてはできてはいたんですけど、まさかこんなに200いくつも負ける年が来るとは思わなかったですね。

皆さん、今年1年、Mリーグ見ました?見ましたね?ラッキーですね、僕が負けるのはたぶん最後なので、こんなに僕が負けるのを見られてよかったですよ。『この多井の強さは、あの時の負けがあるんだ』って、いつか書けますよ。よかったですね(笑)。

チームとしても、今までは多井に頼る、みたいなところがあったんですよ。ABEMASは最後に多井が出る、みたいなのがあったんですけど、今年僕が負けたことで3人の心構え、3人の精神年齢が1つ上がりました。おめでとう!

何度も言っていますけど、このメンバーも監督も、選んだのは藤田(晋)さんなんですよ。僕ら麻雀界の人間は藤田さんにすごく感謝しています。藤田さんがいなかったら、僕はたぶん、飲食業をやっています。それぐらい、僕が麻雀プロを続けられたか分からないくらいの恩人なので、あの人の見る目は正しかった、あの人が作ったチームはこんなに強いんだってまた言われるようにしたいです。

ドリブンズさん、パイレーツさん、そして優勝したフェニックスさん。強いですけど、僕らもう一度来年、白鳥が気合い入って今年に挑んだと言っていますけど、それの5倍くらい僕は気合いを入れていますし、びっくりするくらいの麻雀を見せます。

でも、レギュラーを通過したおかげで、来シーズンも普通に取り組めます。またシーズンが始まったときに、序盤で普通に麻雀が打てるのが本当にうれしいです。この2ヵ月くらい、僕ら4人はずっと条件戦をやらされていたので、普通に麻雀を打っている強いABEMASを良く書いてください。よろしくお願いしますよ」

 

白鳥翔

「個人としては、最終的な着地のポイントとしては400ぐらいプラスできて、それは良かったかなと思います。でも、序盤に個人で180ぐらいマイナスしていたときがあって、そこまでの内容も本当に褒められたものではなかったので、後半の自分の調子の良さとかツキ具合とかを考えたら、ミスしなければ余裕でMVPを取れていたかなと思います。そこは課題かなと思っています」

-シーズン途中には所属団体のタイトルも獲って、途中から上げられたきっかけなどは?

「昨シーズンはABEMASとして初めてファイナルに行けなかったシーズンだったので、今シーズンは最初から、いつも気合を入れて臨んだ年でした。でも、ちょっと空回りしてしまって、それがすごく情けないな、という気持ちになって、葛藤して気持ちの切り替えが自分の中でできた瞬間があって、そこから一気に自分が打ちたいような麻雀を選択してできていたかなと思います。それがいいふうに転んだな、という感じです」

 

松本吉弘

「今シーズンは本当に厳しい戦いが続いて、白鳥さんがいなかったら、レギュラーの突破もたぶんなかったかなと思っています。チームをピンチを追い込んだのは自分の力のせいだなと痛感するシーズンになりました。

ただ、ここ最近は幸運にもちょこちょこ勝たせてもらうことが多かったのが響いたのか分からないですけど、最初につまずいてからも、思いっきりめちゃくちゃなことした感覚はないですけど、心のどこかで焦ったりとか、取り返さなきゃとか、7年間やってきた中で一番負けたので、そういうのに耐性がなかったのかなと。しかも麻雀では自分がダメになっちゃっていることとかに自分では気づけないので、そういうことをチームメートに確認したりとかしていました。いつもテンパイを取っているところを取れなかったり、踏み込みすぎて痛手を負っていたりするところがあったと思うので、11月ぐらいからはだいぶ負けたんですけど、個人の勝ちというよりは、チームがどれだけレギュラーを突破して優勝に導けるために、負けを最小限に抑えられて、勝てるところをちゃんとしっかり取っていくかという感じで、しっかり悟ることができて落ち着けたかなと思います。

正直、今シーズンはずっと鬱々とした日々が、他のチームの試合を見るのが嫌になってしまうぐらい嫌な気持ちが続いていたんですけど、それを支えてくれたのがチームの3人とファンの声、あとは監督の塚本さんもすごく声をかけてくれたんですよね。自分が休んでいるときも『また力が必要だぞ』と言ってくれて、トップを取ったときも全員が声をかけてくれました。

本当に悔しいシーズンにはなりましたけど、負けている自分がそれで落ちていたらしょうがないなと思うので、応援のほうを力入れようかなと思ったんですけど、ただ自分の麻雀人生において、この負けで焦らないとかグズつかないみたいな、メンタル面の強化とか技術の強化には本当につながった1年だったなと思います」

 

日向藍子

「今シーズンを振り返ろうと思っていたんですけど、最終戦が面白すぎて、すごかったですね。ちょっと感動しました。

私たちチームとしては正直、褒められたような成績じゃないと言いますか、結果だけを見ると昨年と同じセミファイナル敗退で、かなり苦しい試合が続いていた印象です。でも中身を見ると、かなり序盤から暗黒期みたいな感じで辛かったので、自分たちで言うのもあれなんですけど、白鳥さんのすごく大きな勝ちがあってレギュラーで敗退しなかったのは、なかなかできないことだったなと思っています。これ以上こういう成績が続いて、周りを悲しませちゃいけないな、という思いが今はすごく強いです。

自分としては4着回避率のタイトルは獲れたんですけど、そこに一緒にチームがいてくれないと、私の中でもあまり処理できません。うれしいんですけど、もっとうれしい年を今後は重ねていけたらいいなと思っています」

-チームの雰囲気作りについてはいかがですか。

「シーズンの苦しい時期だったり、セミファイナルが始まる前に白鳥さんとかとも話したんですけど、結構苦しい時期が長い割に、私たちは結構前向きに明るい声かけが多くて、悪い雰囲気にはあまりならなかった印象があります。それは各選手が前向きに取り組んで『やったるぞ』と思っていただけであって、決して私の貢献ではなかったような印象です。結構明るかったと思います」

 

【塚本泰隆監督】

「選手の皆さんに話していただいたのですが、本当に苦しいシーズンでした。もちろん結果なので言い訳なんて一つもする気もないですし、今の現実を受け入れるだけというのは、選手の皆さんも思っているところです。我々は今まですごい成績を残してきて、この2年間はセミファイナルで敗退してしまったことをしっかりと受け入れながら、次にどういうふうな形で常勝軍団に戻れるのかを、僕も含めて一緒に考えて戦っていけるような、強いチームになりたいと思っています」

 

-来季に向けて、オフシーズンの過ごし方などはいかがでしょうか。

多井

「醍醐を研究します。醍醐ですよ、今は。僕はこの2、3ヶ月間、醍醐を見直します」

日向

「サポーターのみなさまとやれるイベントだったり、予定を組んでいるので、そういうところでまた鋭気を養って、という予定はチームではあります。あとは醍醐さんを見ます」

松本

「僕は敗退してからずっとなんですけど、麻雀の打数を圧倒的に増やしています。打てばいいというわけではなく、打つ内容とか濃さも重要なんですけど、次のシーズンが始まったときに、圧倒的な自信を戻せるぐらいの稽古が必要だなと思いました。それに向けて頑張ります」

白鳥

「よく『スタイルチェンジをするのか』みたいなことを聞かれるんですけど、今は全く予定はなくて、さらに精度を高めるための訓練をしようと思っていますし、常にしています」

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