
切るか切られるか、覚悟の一振りで投げられた諸刃の剣であったが……

ここは太に躱されてしまう。
この時点で永井が投げたリーチ棒という名の剣は5本。その全てが自身の元に帰ってきていない。
あまりに永井には苦しい展開。

しかし6本目にしてようやくの和了りは2着目逢川から7700の直撃に。
これで渋川が盤石になる一方で、下位三人は一気に混戦模様に。
【南2局】、

その混戦模様がまさにこの太の仕掛けに現れている。
ドラと赤を使うカンの仕掛けをして、手の内は4cmバラバラ数牌。自身の打点と逢川の親を自由にやらせないことに全身全霊。

逢川のリーチを受けるも聴牌して押し切ってこの和了り。
太オリジナルでしか和了れない仕掛けで二着目につく。

下が争えば争うほど、渋川は王様タイムに。2600オールで親番連荘を果たすと……

続く1本場も聴牌で開けることを選択して、

7700のさらなる加点。魔神として君臨し続ける。

太が4000オールで追い上げるオーラスとなるも……

最後はまたしても三軒リーチ。制した相川が太から12000を召し取っての2着を勝ち取った。

見てほしい、この得点推移を。

見てほしい、このゲームスタッツを。
リーチ回数合計26はあの黒沢咲の伝説の10万点超えトップに次ぐ回数である。
まさにぶつかり合いとなった半荘。どこか少しでも歯車が違っていれば、着順はどうなっていたか。

初めてのラスはほろ苦いどころかセンブリ茶レベルとなった永井だが、これまでの積み重ねでチームはいまだ健在。
気が付けばもう1/10を終えているMリーグ。あっという間の6か月をこれからも見逃すな!!

日本プロ麻雀連盟所属・35期後期生。麻雀と着物と民俗学が大好きなプロ雀士。