萩原聖人の魂の叫び、そして中田花奈が進む道──16戦ぶりの勝利と三年目の成長物語──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/14 第2試合(麻雀LIVEチャンネル)】担当記者 小林正和

タンヤオのテンパイだ。ここはカン【6ソウ】のヤミテンに構える。

ナーガくんは5タイプ中3タイプで「ここはリーチも全然アリ」と背中を押していたが、そんな助言なんて関係ない!

なぜなら…

次巡に【8ソウ】を引き込むと、萩原は迷う素振りもなく牌を横に曲げた。

(…この手はRMOの手にふさわしい“変化”があるからな!)

Hagiwara Masato is “sanshoku”。
十八番(おはこ)が見えたなら、あとはもう行くだけだぜ。
“らしさ”が詰まった、高め三色リーチへと踏み込んでいく。

茅森だって負けてられない。

すぐに【1マン】を引き寄せテンパイ。
【4ソウ】を切れば三色が確定したが、そこはグッとこらえて現物の【1ソウ】。無理に形を追わず、きっちりバランスを取りながらの追いかけリーチとなった。

そして、すぐに決着が訪れる。
その結末はあまりにも残酷で、まさに悪魔的であった。

茅森の最初のツモ牌は【8ソウ】

あの時、自ら嫌って落とした【5ソウ】【8ソウ】ターツがよぎる。もし、逆を選んでいれば、この一巡で一発ツモだった。

それが…。

次にやって来たのは【6ソウ】。つまり…

萩原の十八番、高め三色への放銃を意味していたのである。

最初の分岐点である、推奨の【3マン】【3ソウ】を選んでいたとしても結末は同じ。唯一の回避方法は、【6マン】➡︎【6マン】➡︎【7マン】のルートだけだろう。

ナーガくんが仮に間違って【6マン】を切っていた未来──
続けて【6マン】を切っているのがなんとも皮肉な話だ。

こうした“たった一つ”の選択で、局面の空気がガラッと変わっていく。それが麻雀というゲームの面白さであり、残酷さなのだ。

分岐点②:東3局
そのアガリにより流れに乗った萩原は… この局、

僅か5巡目ながら、阿久津から打たれたドラの【北】をつかまえる。

ダブ【東】・赤・ドラ2
12,000

あっという間にトップ逆転だ!

この局のポイントは、実は一つ前の4巡目に隠れている。

ダブ【東】を仕掛けている所に、中田がドラの【北】をリリース。その直後、親は【發】をツモ切り。つまり阿久津は、ドラを合わせて処理する事もできたのだ。

今回は、重なりからの高打点ルートを見て、【北】を手の内にキープ。
だがそれが、一手進んだところで押し出される形となり、親に12,000を献上する結果へとつながってしまった。

果たして、あの瞬間は合わせるべきだったのだろうか。
皆さんはどっちを切りますか!?

5タイプ中、メンゼンタイプのヒバリカくんのみ【北】よりの選択肢であったが、他はどちらかと言うと【發】の方を推している。

意外に感じるかもしれないが、結局ここは “ほんの微差” の選択。どちらを選んでもおかしくない局面だったと言えるだろう。

こうしてアガリを重ね、流れにしっかり乗ってきた萩原。攻めだけじゃない、守備への意識もキレッキレになっていた。

分岐点③:南1局

手牌は変わって、こちらは8巡目・茅森の手牌。

メチャクチャ良い!
赤・赤・ドラ・ドラの完全イーシャンテン!!

…なんだけど、よく見ると自身はラス目。しかも【1マン】がフリテンになっているじゃないか。

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