名もなき最終局──茅森早香と萩原聖人、最後に語った想い──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/21 第2試合(麻雀LIVEチャンネル)】担当記者 小林正和

茅森早香
「楽しかったです!」

負けた直後のはずなのに、その表情はどこか晴れやかだった。
本当にそう思っていなければ出てこない言葉だろう。

でも、映像にはしっかり映っていた。
茅森の手が震えていたのを見た人なら分かるはずだろう。

楽しいって言葉の奥には、怖さも、苦しさも、必死で手放さずに握りしめてきた強さも全部、ちゃんと詰まっている。

そして、その楽しかったの一言を聞いて、胸を突かれた男がいた。

萩原聖人
「俺はね、正直メチャクチャ緊張もしたし、怖かった。でも、アガりたくて、チームのために絶対にアガりたくて。
正直、手も震えてましたよ。」

茅森とは反対の言葉だった。
けれど、不思議と同じ景色が見えてくる。

「でもね、茅森さんの「楽しかった」って言葉聞いて、恥ずかしくなりましたよ。あんな状況で、ああいう言葉出てくるなんてすごいよ。忘れてた事を思い出させてもらった気がします。」

勝った者も、負けた者も。
報われた者も、報われなかった者も。
最後は同じ場所に心を置いていたのである。

それこそが麻雀であり、
それがあるから人はまた、牌を握りたくなる。

最後の一牌まで、全員が全力だった。
そして、その姿に、見ている者も胸が熱くなる。

「そう、これが麻雀だ!!」

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