そして、ついに
を重ねてカン
でリーチをかけた。この時点で、先制リーチの阿久津の待ちは3枚、中田は2枚。もはや、どちらに和了が生まれてもおかしくはな……。
直後に阿久津が持ってきたのは
。ヒヤヒヤするめくり合いさえ見させず、山は阿久津に痛烈な一撃を与えた。
一発で7700の放銃。しっかり攻め返した中田をほめるべきだが、阿久津、そしてサクラナイツにとってかなり手痛い一撃になった。
このあとも、親番を継続した中田の鮮烈な6000(は6100)オールに続き、
ラス目に沈んだ阿久津の和了を阻止せんとする展開に飲み込まれ、醍醐、たろうに安い手でかわされる苦しい試合となった。
復活の糸口を探る間もなく、4着で試合を終えた。
4者の中で最高となる4回のリーチを放ったものの、結果が出ない苦しい展開だった。
マジで今日は選択少なすぎたけど2タイプ0.0は珍しい🙂
そんな選択の少ない半荘でしたが帰ったら牌譜検討配信やります!!! https://t.co/J93EZFikbL
— 阿久津翔太 (@akutsudesu) December 5, 2025
麻雀AI「NAGA」の解析でも、2タイプで悪手率「0.0%」を記録したのだから、よほど間違いが少なかった打牌選択を、猛烈な逆風が襲ったと言えよう。
サクラはきっと咲く
試合後。筆者はサクラナイツの公式YouTubeアカウントをのぞきに行った。
サクラナイツの魅力の一つは、その明るい雰囲気だ。どんなに苦しい試合だったとしても、渋川を中心に賑やかに迎え入れてくれる楽屋の雰囲気に、ファンの方もほっと胸をなでおろすことが多かったのではないだろうか。
https://youtu.be/2UB1DDVdrAA?si=QH6mkHPQYYRcUb6s
しかしこの日の楽屋には、元気印の渋川が不在。
「苦しすぎる……」とため息交じりに帰ってきた阿久津。出迎えた堀、岡田、そして監督にも重々しい空気が漂っていた。
ふと、「渋川だったらなんと声をかけるだろうか」と思った。
入団以降、打ち手としてはもちろん、そのポジティブな言動でチームに欠かせない存在となってきた渋川。
ルーキーイヤーの2022-23シーズンに、歴代最高得点をたたき出した雷電・黒沢の鉄槌をくらったときには、
「強がりでも何でもないんですけど、デビューしていままででいちばんよく打てた半荘」と極めて客観的に対局を振り返り、直後の2戦目で初トップを決めてみせた。
https://youtu.be/pErpVRk38m0?si=5g0ixsPqnZk5fsYx
昨シーズン、レギュラー突破のボーダー争いでABEMASに抜かれて敗退ラインに落ちた際にも、「Mリーグの主役は我々みたいになってるから。(上位の)ドリブンズやフェニックスは嫉妬してるから」と言い放ち、先を憂うファンを安心させた。
そんな渋川がいなかったこの日、チーム全体がどこか弱々しく見えてしまったのは気のせいだろうか。
レギュラーシーズンは、残り約半分。60試合はあっという間に消化するだろう。
ここはあえて、サクラナイツのチーム力に陰りが見え始めていると主張したい。
展開に恵まれないながらも耐え続けてきた中で、徐々にほころびが見えてきたレギュラーシーズン中盤戦。ここから一気に崩れ落ちるか、大復活を果たすか、その瀬戸際に立たされているだろう。
我々は、これまで幾度となく逆境を跳ね返してきたサクラナイツを知っている。厳しい冬を抜けて、復活の大輪が咲き誇ることを願って、後半戦の戦いに注目したい。
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虫かご
鹿児島県出身、東京都在住の25歳。本業である新聞記者の傍ら、ライター業に励む。noteも不定期で更新中。好きな麻雀プロは堀慎吾選手。行きつけの雀荘は浅草橋・新時代。
X:@mushikagokun















