1%を2%にするために。鈴木優の、後悔しないための航海【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/17 第2試合】担当記者 カイエ

断トツのトップ目で辿り着いたオーラス。
優、個人連勝は目の前だ。

解説の白鳥が見事に言い当てたように、ここは【3マン】ではなく【6マン】を切ってのダマとした。
対面で、親の高宮が、自風の【東】→オタ風の【西】切りの少し異様な出だし。【赤5マン】もツモ切って、リーチは目前の様相だ。
有事の際に【6マン】【9マン】をケアするため、いま【6マン】を切っておくと、仮に高宮のリーチ後に【6マン】を持ってきても、今度は安全そうな【3マン】とスライドできる。

これぞ、どこまでも繊細なトッププロの思考。

しかし、優にとってはその判断だけのための少考ではなかった。
おそるべきことに、ここではリーチにいくことを考えていたのだという。

リーチとすれば、2着目の高宮はチームの安泰なポイント状況もあって、あっさり撤退してくれるかもしれない。それならハネ満ツモまで見込めそうなこの手で、素点を更に稼ぐことも出来る。

そんな大胆かつ強欲な選択が必要なくらい、いまのパイレーツのポイント状況は厳しいのだ。

結局、優はリーチを見送り、最後は堀が2着にあがるリーチをかけ、後のないラス目の黒沢から討ち取った。

豊橋のファンに届ける、大きな大きなトップ。
希望は、潰えなかった。
祈りは、繋がった。
奇跡を目の当たりにする機会は、失われなかった。

それでも優は、オーラスのリーチ判断を含め「弱気だったかも」と、いくつかの局面を振り返っていた。
観る者からすれば、最大限に強い選択をしてこれまでクルーを喜ばせてきた戦闘民族が、さらに強気に出れば一体どうなってしまうのかと戦慄してしまうが、この男は決して諦めたくないし、現に全く諦めていないのだ。

まずは1%の通過確率を1%ずつでも上昇させていく。
その、たかが1%を増やしていく作業を、ただ一生懸命に遂行するのみ。
チームの総意として、航路は定まった。

少しでもレギュラーシーズン突破の可能性を上げるための選択を。
鈴木優だけでなく、パイレーツの誰もがそのことを考えている。

「たかが」が「されど」になり、2~3%になった数字が、16戦後には100%になって、みなが笑顔になれるように。

冒頭の順位表と比べると、文字通り景色が変わった。
依然、大きなマイナスの団子状態であるものの、最下位から8位に浮上。
鈴木優の個人の成績もプラスに転じた。

海賊船は、まだ沈まない。
航海は、まだ終わらない。
後悔には、まだ早い。
逆風にも荒波にも負けず、良い波と良い偶然を捕まえて、必ず浮上してみせる。

 

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