ハネマンを放銃すると、首位から陥落してしまう。
もちろん、セミファイナルへはポイントの持ち越しは半分しかできないので、素点的な意味は小さめではある。
ただ、ここは「レギュラーシーズンの1位通過」が最大目標の半荘だ。
9月から始まった120試合にも及ぶ戦いが、この一戦、この一局で終わるのだ。
なんとかして、首位通過を決めて、笑顔でみんなの待つ控室へ帰りたい。応援してくれるファンに喜んでもらいたい。
長考に沈む亜樹。
(かわいい)
真剣勝負に話を戻すと、
リーチをした場合は、自分がアガれば文句なし。
渋川のツモアガリも歓迎で、自分が放銃しても8000は8300までならセーフだ。
渋川の打点に関しては、ドラの
が2枚見えていることしか情報がない。
そして、最大の問題は、亜樹が一発で切ろうとしている
だ。
渋川にピンズの下は超危険である。
メンタンピン一発赤赤裏、などと言われたら、目の前が真っ暗になってしまう。
思案する亜樹。
ここ数年で、意図的に「参加率を上げる」方向でのモデルチェンジに成功した亜樹。
ただ、元来は守備的な選手だ。
ここで安全策をとり、渋川のアガリを待つ選択も、浮かんでは消え、また浮かんでは消え、となっていたことだろう。
右手を牌に寄せ、
に触れる亜樹。
その指先は、小刻みに震えていた。
ついに、
意を決した亜樹は、
切りリーチに踏み切った!!!
自分がオリたところで、親の滝沢はオリないだろう。
ならば、自分と渋川の決着で、この局を終わらせるのが最善だ。
もとより自分もリャンメンテンパイ。8000点までは放銃出来るのだから、ここは「参加することで」チーム首位通過を掴みとる積極策をとった。
もちろん、
滝沢も前に出てくる。
をポンしてタンヤオのテンパイをとった。
決着の時が訪れた。
亜樹が切った
に、
「ロン」
渋川の声がかかる。
打点は──
「2600は2900」
この瞬間、EX風林火山の首位通過が決まった。
終わってみれば、
上位3チームが7.6ポイント以内にひしめく大接戦。
こういう結果を見ると、シーズン途中の半荘で「4着目でもオーラスに2000点をアガって、傷を深くしないまま半荘を終わらせて次につなげる」という選択にも、価値があることを感じる。
セミファイナルではポイントは半分にして持ち越される。ファイナルにいくときには、また半分になるわけだから、ここからも激戦が予想される。
また、渋谷ABSMASは多井がトップを持ち帰ったことにより、雷電より上の状態で3/27(金)の最終日を見守ることとなった。この試合も絶対に見逃せない。
インタビューでは、
今シーズン一番オリていたことを話す亜樹。
それくらいシビアな条件戦であったことが分かる。そして、その中で見事な立ち回りであった。
「選手兼監督」としての初年度であったが、好調な永井と内川を多く使い、調子がなかなか上がらない勝又は温存、自分は要所で出つつ、最後は責任を持って締める、という見事な采配だったように思う。
もちろん、各選手のファンは「もっとこうして欲しかった」という思いもあるだろうが、全員の望みを叶えることは不可能だ。














