負けられない鳳凰位白鳥翔は焦らされても焦らなかった 【麻雀最強戦2026 団体対抗スペシャル合戦】観戦記【A卓】文:うめきち

そして白鳥が掴んだのが、その当たり牌の【9ソウ】である。

ピンフ三色3900は4200。石原のロンの声に白鳥は茫然とした。

白鳥は試合後、放銃については「いや俺ほんとびっくりしてマジみたいな」。
「待ちは体感5枚」と予想していた。実際は7枚。それを伝えられると「きちー」と悔しがった。

そして最後に、「最近アンチが増えてきてるんでそれですね」と、呪いのせいにした。こんな冗談が出てくるところが、白鳥の愛すべきところだ。
この放銃で、白鳥は14400点。西村との差は12500点に開いた。満貫ツモでも届かず、ハネ満ツモが必要になった。

【4ピン】は1個先にいた

南4局、親は西村。西村が手を作りに来ないのは分かっている。ところが10巡を過ぎても、欲しい牌が来ない。1巡ごとに、じれったさが積もっていく。
それでも白鳥は条件を作ってリーチをかけた。待ちは【2ピン】か【4ピン】かの選択。

白鳥の目からはどちらも2枚づつ見えている。しかし山に残っているのは、【4ピン】の1枚だ。白鳥はその1枚を選んだ。読みの正確さは、完璧だった。

ツモは1回のみ。しかし白鳥の手に来たのは、【4ピン】ではなかった。

その【4ピン】は、次の西村のツモにいた。

1個ずれていた。白鳥の【4ピン】は、ツモ筋にいなかった。
試合後、それを聞かされた白鳥は、隣にいた西村の肩を掴んで、悔しさをにじませた。

掴んだのは牌ではなかった

勝ち上がったのは、石原と西村だった。
石原は試合後、聞かれる前から笑みがこぼれていた。

「このメンツで勝つのはうれしい」。事前にXで行われた勝ち上がり予想で、石原の支持率はわずか8%の最下位。本人もXで悔しさをのぞかせていたが、それを見事にひっくり返した。


西村は、入場のときは表情が硬かった。

打っている間は無表情だ。それが試合後は満面の笑顔で、

「ずっとしびれてました」。京都から東京へ出てきて、人生の挑戦を続けている人の笑顔である。
牧野は、闘志を隠し持つような顔で打っていた。

東4局には、3フーロのハネ満テンパイから、ホンイツをなくして【8ピン】に待ちを替える毒入りまんじゅうのような一手も見せている。

西村は食わなかった。2年前のリベンジを誓った大会で、悔しい結果になった。それでも「すごく気合入ってたし、勝ちたかったんですけどこんな結果になってしまって、リベンジしたい」と前を向いた。

麻雀には、運と不運がある。白鳥はこの日、運に見放された。それでも運のせいにして怒ることも、所詮運ゲーと吐き捨てることもなく、最善を打ち続けた。私は自分への戒めも込めて、そう思う。
白鳥は3着で、勝ち上がれなかった。連盟のチャンピオンが一番だと、証明することはできなかった。けれど、看板を背負う人の打ち方を、私はこの目で見た。
負けられない男は、焦らされても焦らなかった。
最後に掴んだのは、牌ではなく、西村の肩だった。

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