が、ここで亜樹は黒沢に通っていないをツモってくる。
しかも海底だ。裏ドラが1枚乗れば倍満だ。しかしここはを切り、親番を守った。
だがこれで終わらない。
東3局1本場。ドラ。
ここでの村上の配牌。
【村上配牌】
地和チャンスである。
そして村上がツモってきた牌は……
…… なんとか役満は回避できたが、またダブリーである。一難去ってまた一難、ダブリー去ってまたダブリーである。しかも前局で親番を守ったため、皮肉にもまた親かぶりのピンチである。また17巡の修行行脚が始まる。
一方この時、黒沢の手牌にドラのが重なる。しかもも2枚持っている。この半荘、黒沢は本当にドラを持ってくる。さらに牌が重なり、5巡目に四暗刻イーシャンテンとなる。
【黒沢手牌】
ここで石橋からをポンしテンパイ。トイトイ確定の待ち。いわゆる「王手飛車」である。
そしてこのダブリー行脚の14巡目。
村上がをつかみ、黒沢に12000点の放銃となる。亜樹は目の前で前門の虎と後門の狼がやり合って無傷ですんだ。が、黒沢と12800点の差ができる。
この後、虎視眈々の上を狙っていた石橋が卓をコントロールし、トップとなる。
そしてオーラス南4局。ドラ
亜樹は3着の24100点。2着の黒沢とは7800点、トップの石橋とは15000点の差がある。完璧に石橋ペースである。
亜樹は1300・2600で黒沢と同点2着、ハネ満ツモで石橋と同点トップという珍しい状況になる。まずは満貫を目指し、その延長でハネ満狙いといった感じか。
そしてここで亜樹にチャンスが巡ってくる。我慢して我慢して、南4局の7巡目にチャンスの神様がやってきた。
【亜樹手牌】
ツモドラのをツモってきた! リーチを掛ければリーチドラ3で満貫確定。ツモって裏ドラ勝負でハネ満もいける!
しかし!
亜樹が切ったのは! テンパイ取らず!
なんで?! ドラのはそう出てくる牌ではない。も場に1枚切れてる。でもツモってくればいいじゃない! ツモり逃しとかしたら泡を吹いてしまう。
でもそんな都合が良いことは起こらないと亜樹は思っている。ここは焦らず我慢なのだ。それが王道だ。
見ている方にも力が入ってくる。
そして11巡目、チャンスの神様がまたやってくる! チャンスの神様は前髪だけじゃなく後ろ髪もあった!
【亜樹手牌】
ツモやにくっついて良形とかあるかもしれないけど、トップのためには裏ドラが超重要! そのためリーチしましょう!
そして亜樹さん、
ツモ切り。
ええ!? またテンパイ取らず!(今局2回目)
まだ我慢なの?! しんどい! しんどいです亜樹さん! 王道つらい!
そして次巡。チャンスの神様がなんとバックして戻ってきた!
【亜樹手牌】
ツモぐあ! カンチャン待ち! 良形ならず! ここで亜樹さん、心に決めていたのかリーチを掛ける。