西原理恵子 & 山崎一夫 ギャンブルは 上達すると負ける!?

ギャンブルは
上達すると負ける?

「んなバカな」
「ギャンブル・ライターなら勝てる話をしてくれ」

見出しに違和感を感じる方もいるかもしれませんが、これが厳しい現実なんです。

でもガッカリしなくてもいい。こうなるケースが多いというだけで、勝ち続けるギャンブラーも少数ながらいるんです。

以下負ける理由。
まず公営ギャンブルですが、コミッションが高いので、推理力と的中率をアップさせても、それを吸収するまでには至らない。
すでに亡くなった高名な競馬評論家のご遺族の述懐。

「馬券さえ買わなければ、ひと財産残ったのに…」

でもその分、ギャンブルとしての大きな魅力がある。

高配当狙いも高額投資も自由なので、自信のあるレースで一攫千金が期待できます。

次に外国のカジノや国内の地下カジノ、あるいはオンライン・カジノなど。
コミッション率は低いものの、ルーレットなどの機械式のものは、技術関与そのものが難しいのでダメ。

スマートな張り方や、チップやカードの扱い方は勝敗とは関係無し。
ポーカーやブラックジャックのような対人ゲームにはチャンスがありますが、最高レベルの技術でも、コミッションをギリギリ吸収できる低度。

以前「近代麻雀オリジナル」で連載していた、ギャンブラーのライアン・モリスさんは、オンライン・カジノで一時期すごく稼いでました。
ただし、情報のタイムラグが無くなった今ではかなり難しくなっているとか。

3つ目は日本特有のギャンブルのパチンコやパチスロで、昔からプロがいる。
「客を呼びたい」という市場原理が働く、技術が関与するなどでわりと勝ちやすいギャンブルです。
麻雀の場合は、さらに高レートの魅力があります。

さて、技術や情報力が関与するゲームでは、上達することによって、確かに勝率は上がる。 ところが、コミッションを上回らないと勝つまでには至らない。

「でも負けが減るじゃないか」

ここがギャンブル最大の落とし穴。

●1回あたりの負け率や負け金額は減る。
●でも上達で自信を持ったりおもしろくなるので、
●やる回数や投資額が増えてしまう。
●けっきょく、トータルでの負け金額は、ヘタだった時よりも増えてしまうのだ。

ただし現時点でぼくが持っている情報や知識の範囲内での評価なので、最先端では密かにかっぱいでいるギャンブラーがいる可能性はある。

数年前ですが、ルーレットのの回転中の球の撮影データを、無線でコンピュータに送って大当たり数字を解析。
「ノーモア・ベット」の直前にチップを張る攻略法が登場したことがある。
報道では数字を当てると言ってましたが、実際には当たりそうなゾーンだったんじゃないかと推理してます。
発覚して訴えられたけど、無実になったそうです。

「攻略法じゃなくて、イカサマじゃないか?」

ぼくはイカサマだと思わないタイプなので、ギャンブルオタクかもしれません。

強いギャンブラーには
もうひとつの落とし穴がある

パチンコやパチスロの攻略法、オンラインカジノの情報格差、高レート麻雀などで大きく勝っているギャンブラーが今でもいます。
ところがですね、

「博打は一本」

に徹しているギャンブラーは意外と少ない。
特定のギャンブルに自信を持つと、

「おれはギャンブルが強い」

と、つい他の種目にも手を出してしまうんです。
前号で紹介した、元麻雀のむこうぶちで現在はホームレスのTさんは、競馬での負けが本職の麻雀の勝ちを大きく上回ってしまいました。

「パチンコ必勝ガイド」の編集局長の末井昭さんは、専門のパチンコは黒字ですが、その他のギャンブルが大赤字。
縁あってホームレスのTさんを競馬の師匠と仰ぎ、そのおかげで一時はプラス七百万円まで勝ったものの、最終的には数百万円の赤字なりました。

末井さんが立派なのは、Tさんと競馬をしなっくなった後も、ほぼ十年間に渡って、Tさんを経済的に援助してたこと。

「出版不況で知り合いが金を借りに来るんだけど、ほとんど返してもらえない。Tさんには悪いけど援助はやめた」

末井さんの場合は、西原さんたちといっしょに麻雀やチンチロリンなど、その他の種目にもたくさん手を出したからたいへん。

でも、末井さんも西原さんも、自分の仕事では見事に成功しているからだいじょうぶです。
もう一人ぼくの知り合いに、見事な成功例のI社長さんがいます。

ぼくがパチンコの攻略記事を書いてたころはパチプロだったんですが、パチプロの稼ぎが少なくなると、コンピュータの知識を生かしてハイテクゴト師に転向。

「どこが成功じゃ」

さらに技術を磨いてゴト師仲間を集めて、ゲーム会社を立ち上げ、軌道に乗せてしまったんです。

 「パチンコは今も趣味でやってますよ」

というだから素晴らしい。
もちろん、ごくごく少数ながら自分の好きなパチンコや麻雀だけて、プロとして長期間勝ち続けてる人もいます。

かつて東大中退のパチプロとして有名だった田山幸憲(故人)さんや、やはり前に紹介した麻雀のMプロなど。
Mプロは人柄もいいので、雀荘の店長として誘われることが多いそうです。

「ありがたいですが、自分はプロとして麻雀だけで食べて行くつもりです。他のギャンブルに手を出す余裕は無いからどいじょうぶです」

それができるのは、たぶん数百人、もしかしたら数千人に一人かもしれません。

(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2011年7月1日号)

●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/

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