小林プロは初戦。柔道で鍛えた胸板の奥にはメカでもロボでもない、熱いハートがある! 頭は冷たく心は熱く。こちらも問題なし。
前原プロはいつものルーチンで入場。お辞儀をして、座って、眼鏡を掛けて、対局。ただ初戦と比べるとちょっと疲れているか。
あと北家は座ってから対局開始が短いです。なので精神統一、集中力を上げる時間がほとんどありません。例えば瀬戸熊直樹プロはMリーグでは北家は苦手で、佐々木寿人プロはあまり関係ない、などあるかもしれません。
では対局!
第1回戦と変わって、場が動かない戦いとなりました。
東1局1本場 ドラ
前戦の勢いをかって、前原が6巡目チー。
ここで前原はを切ります。手牌に赤もしくはドラ、もしくはその両方があると予想できます。
こうなると上家の小林の真骨頂です。自分の手牌にはドラのが2枚。、が絡む牌も切らない。ヘッドロックのようにギュウギュウに締め付けます。
締め付けながら自分もアガりにいく。ここで出るのが攻防に秀でた必殺技「七対子」! これで粘りこみます。
「偶然の七対子」ではなく「決め打ちの七対子」でもない。「戦略の七対子」を駆使していきます。場況もあって結果は全員ノーテンの流局となりますが、小林らしさを堪能しました。これで2局連続流局となり長丁場模様。これは「体力勝負」になるな、と思いました。
しかし! 次局の東2局2本場は全員が仕掛けるという展開。
これも前局とは違う思考の入れ方をするので、それとともに選手の体力を削っていきます。ここで前原のリズムがだんだん悪くなってきたかもしれません。
時間軸が戻りますが、TwitterでのKONAMI麻雀格闘倶楽部の写真がアップされていました。
第1回戦の前原プロの勝利インタビューが映るモニタの前で、佐々木寿人プロと高宮まりプロが、ピースの指を揃えた形の“ガラクタ”ポーズを取っている写真です。この時、高宮プロはほぼすっぴん。佐々木プロも(こちらは雰囲気ですが)戦うという感じではありませんでした。前原プロの連闘成功率は低いイメージがあるのでどうなのかな?とここで思っていました。
そして実際2回戦に入ると長考する時間・回数が多くなってきました。
Mリーグには長考するとイエロカードが出る、というレギュレーションがあります。前原もそれは知っているはずなので、少なからず焦りは出てくるのではと思います。それが東4局に出たかどうかは分かりませんが、小林に8000点の手痛い放銃をしてしまいます。
南1局 ドラ
前原は前局の挽回を期し、ポンをしホンイツのテンパイ。
園田も終盤、をポンしてテンパイ。
さらに魚谷も最終盤、粘ってテンパイ。
小林は完全にガード態勢。
ほか3者がテンパイを取るのか、危険牌を持ってきたらオリるのか、の勝負となりました。
ここで魚谷が最後のツモ番でを持ってきます。
そして躊躇なく切りました。
これは園田への放銃となります。
でも彼女は冷静な表情でした。ここは放銃してもよし、と思っていたのではと思います。園田の点数申告に、凜とした声で「はい」とこたえました。
とはいえフェニックスサポーターは「またここでアタリ牌を持ってきてしまうのか」とずっと続く魚谷の不運を嘆いたかもしれません。
「これはいい放銃です」
もし小林プロが解説席にいれば、こういっていたかもしれません。
踏み込むべきところで踏み込まないと勝てない。
前原の手は明らかに高いので萬子が来たときは止めるが、それ以外はすべてテンパイ維持の選択をしていたのではと思います。
でもと。
こういった不運をフェニックスサポーターはたくさん見てきました。
意地悪なデビルが魚谷を苦しめてきました。
しかし今回、そのデビルはもうやってきませんでした。
南3局1本場 供託1本 ドラ
5巡目。親の小林がリーチを掛ける。
待ち、高目一盃口の大チャンス手。アガれる気しかしません。優勝リーチです。
それに待ったを掛けたのが、休日出勤のソノケン!
10巡目にチーを入れ、テンパイ
待ち。小林が萬子で染めているので厳しい待ちです。
次巡、園田はを持ってきてと入れ替え。
でアガれば三色がついてきます。
その直後、小林がツモってきた牌が、。