ほとばしる衝撃波! 滝沢和典の繊細な技術と麻雀愛が生み出した秀麗な役満【熱論!Mリーグ】

そして一発ツモ。ダメ押しの6000オール。

テン良し、中良し、終い良しと、理想的な試合運びで滝沢は特大トップを決めた。

試合後のインタビューで印象的だったのが、

役満の話の途中で、滝沢はこう話した。

「僕は、東1局がけっこう自分では好きで…」

なんと、別の局の話を始めたのだ。そのシーンは、

上家茅森の親リーチが入っているこの場面、は前巡に園田が通している。

ここで、滝沢はを中抜きした。は押している園田の安全牌。この手で粘るよりは、予想される園田の追撃に備えた方が良いとの判断だ。

その後、滝沢の読み通りに園田がリーチ。

滝沢は、を置いておいたために手詰まりを回避できた。

と、確かに好プレーではあるのだが、あの全国に衝撃を与えた役満の話を切ってまで、このシーンを滝沢は取り上げたのだ。

私は思った。

『本当に、滝沢は麻雀を愛しているのだな』

と。

麻雀が好きで好きで、勉強し、研究し、プロ中のプロいわばマニアのような人だからこそ、このような素朴な好プレーを振り返ることで、じんわりと喜びがこみあげてくるのだろう。

大三元のタネを重ねたときのどこか嬉しそうな表情から私が感じた予感が、確信に変わったインタビューの1コマだった。

滝沢が暗いムードを吹き飛ばして、EX風林火山のシーズン首位は確定的となった。

初年度のMリーグ制覇に向けて、視界は良好だ。

 

追記

さて、Mリーグのレギュラーシーズンがもうすぐ終わろうとしている。

私はMリーグに2つのものを教えてもらった。

1つは、麻雀が大好きという気持ち。

リアル麻雀や天鳳をずっとやっていると、

「麻雀面白くないわ」

といういわば斜に構えたような、分かったような気持ちになることもよくあった。

しかし、今日フォーカスした滝沢選手のように麻雀を愛している超一流プレイヤーどうしの真剣勝負。飛び交うハイレベルのテクニック。

Mリーグで目にするたび、心が躍った。

「麻雀はこんなにも奥が深く、面白い」

ということを改めてMリーグは教えてくれた。今ははっきりと言える。

『私は麻雀が大好きだ』

と。

もう1つは、全国に多くの麻雀ファンがいるということ。

Mリーグは様々な人を魅了した。SNSで、選手に声援を送る人、独自のデータを取る人、漫画やファンアートを描く人、僭越ながら我々のように観戦記を書く人、…多くの人がそれぞれの形でMリーグを盛り上げていた。

麻雀を好きな人ってこんなにもいるのだなぁ、と改めて気づかされた。推しチーム応援仲間などの新しい麻雀つながりも生まれたのもMリーグのおかげだ。

やっぱり、麻雀仲間っていいものだ。

「あの人と麻雀が打ちたいな」

そう思っても、時間が取れなかったり、遠く離れたりしてなかなか打てないこともよくある。

Mリーグのオフシーズンには、ちょっと遠出して打ちたい人のところへ行こう、そう思った2月のはじめでした。

熱論!Mリーグ木曜日 ご愛読くださってありがとうございました!

(C)AbemaTV

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