黒沢咲、進化の証明 ダマと鳴き、そして一発ツモ【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 1/15 第1試合(麻雀チャンネル)】担当記者 喜多剛士

黒沢咲、進化の証明 

ダマと鳴き、そして一発ツモ

文・喜多剛士【木曜担当ライター】2026年1月15日

本日の解説には、麻将連合の最高峰タイトル「将王」を獲得した石原真人を迎えての放送となった。 例年、各団体のチャンピオンが登場するタイトルホルダー解説枠。今季もまた、新たな視点と語り口で、Mリーグの熱戦を盛り上げてほしいところだ。

第1試合

東家:浅見真紀赤坂ドリブンズ
南家:竹内元太セガサミーフェニックス
西家:黒沢咲TEAM RAIDEN/雷電)
北家:伊達朱里紗KONAMI麻雀格闘倶楽部

実況:日吉辰哉 解説:石原真人

東1局

東1局、注目は4巡目の元太の手牌。234の三色を見据えて残していた【2ピン】に、【3ピン】がくっつきドラこそ無いが、打点が見える形。さらに萬子が伸びれば、形もぐっと引き締まるイーシャンテンとなった。

一方、黒沢は赤2のリャンシャンテン。自風の西がトイツとなっており、これを鳴いて3900の仕掛けに出るかどうか、放送席でも話題となった。解説の石原は「怖いから攻める」スタイルのようだが、果たして黒沢はどう動くのか。今年の彼女は例年に比べて副露を多用しており、その変化もまた注目ポイントのひとつ。この局面、彼女は“らしさ”を貫くのか、それとも“変化”を選ぶのか。

親の浅見は、【6ピン】が暗刻となりイーシャンテン。役牌の中・發を仕掛ける構えで、手牌は【赤5マン】【7マン】【3ピン】【4ピン】の選択になる。形だけを見れば、【3ピン】【4ピン】のリャンメンを残しだが、【赤5マン】がありドラは【9マン】【7マン】にくっつけば打点が見えてくる。さらに、【2ピン】【5ピン】がすでに3枚見えていることもあり、浅見は打点を優先して打【3ピン】を選択。

そして、イーペーコー・ドラ2のイーシャンテンの伊達。 萬子が河に少ないことから、萬子を他家が抱えている可能性が高いと読み、リャンメンの選択では【4ピン】【7ピン】を残す打【3マン】【4マン】を雀頭に固定した。

四者の手が進む中、元太が絶好の【4ピン】を引き入れて迷いなくリーチを宣言し、待ちは【2マン】【5マン】【8マン】の三面待ち。しかも高目の【2マン】を引けば、234の三色が完成する。

元太が【8マン】を一発ツモ。 リーチ・ツモ・一発・ピンフの1300-2600。

安目の打点の不満を一発で吹き飛ばす、鮮やかなアガリとなった。

東3局2本場

親の黒沢がリーチを打つも、裏ドラは乗らず。小さな点棒移動にとどまったものの、連荘に成功し、迎えた東3局2本場。

黒沢は【中】が暗刻という好配牌。さらに【赤5マン】も抱えており、萬子の伸び次第では高打点も十分に狙える形だ。そこに【4マン】を引き入れ、いったんはリャンシャンテンに戻るものの、萬子の4連形が残っており、【南】をポンすれば満貫が確定する状況。打点を優先し、【7ソウ】を切って一気にホンイツへ向かう打点を見た黒沢らしい選択だ。

そこへ、待望の【7マン】を引き入れる。これで副露の選択肢は消え、黒沢らしい“門前”の構えが確定。得意のスタイルで、じっくりと高打点を狙う展開となった。

次巡、再び【7マン】を引き入れ、カン【6マン】でテンパイ。直後に【1マン】を引き込み、待ちは【3マン】【6マン】の両面へと変化する。ここで黒沢は、リーチをかけず“ダマ”を選択。高目の【6マン】なら一通が完成し、ダマテンで18,000点のテンパイ。この巡目でのダマ18,000は、まさに“凶悪”の一言。誰が飛び込んでもおかしくない。

黒沢が安目ながら【3マン】をツモ。ツモ・中・ホンイツ・赤で6,000オールの大きなアガリを決めた。均衡していた場を一気に突き放す、まさに勝負を動かす一撃。テンパイ時点で【3マン】【6マン】は山に1枚という薄い待ちだったが、ダマを選んだことで、いつ放たれてもおかしくない状況となり、結果はツモアガリとなったが、まさに今シーズンの黒沢らしい、リーチとダマの使い分けのスタイルが炸裂した一局だった。

東4局

この局の黒沢は、ドラ2・赤2に加え、【白】【東】がトイツという強烈な手牌でリャンシャンテン。どこから仕掛けても打点は十分に見込める状況だ。

そして、黒沢は【白】をポン。ドラの【5ソウ】は当然残すので選択は【東】【5ピン】の比較となる。副露したことで【東】は警戒され、放たれにくくなる可能性もあるが、【5ソウ】【5ピン】のシャンポンでは心もとない。【5ピン】を残してリャンメン変化を狙っても、【6ピン】は2度受けとなる。ならば、前に出てきた相手から放たれやすい【東】に照準を合わせ、黒沢は打【5ピン】を選択。

そこへ伊達がリーチを宣言。場の空気が一気に張り詰める中、直後に浅見から【東】が放たれ、これを黒沢が迷わずポンし、【6ピン】【9ピン】のテンパイに構える。

リーチをかけていた伊達から【9ピン】が放たれ黒沢へ放銃。【東】【白】・ドラ2・赤の8,000点。南場を前にして、黒沢はついに持ち点を5万点超えへと伸ばし、大きなリードを築いた。

今回は打点が十分に見込めたため、昨シーズンの黒沢であっても鳴いていた可能性はある。とはいえ、【東】【5ピン】の選択、そして仕掛けを駆使して確実に加点へとつなげた判断は見事だった。状況に応じて柔軟に対応する姿勢は、今シーズンの黒沢の進化を象徴する一局と言えるだろう。

 

南2局

この親を流せば、トップがぐっと近づく黒沢。456の三色が見える形から、雀頭候補だった【西】が暗刻となり、イーシャンテンに構える。【4マン】をチーして三色の単騎待ちに取る手もあるが、果たして黒沢はどう動くのか。

黒沢にテンパイが入る。待ちは【4ソウ】【7ソウ】のノベタン。しかし、ダマでは【4ソウ】に役がなく出アガリができない。一方で、456の三色を確定させる変化は単騎待ちとなり、アガリ率は大きく下がってしまう。トップ目という状況を踏まえれば、リーチは避けたいところだが、索子を引いてピンフの3面待ちやリャンメン変化を待つには、瞬間の【4ソウ】のアガリ逃しがあまりに痛い。熟慮の末、黒沢はノベタンのまま【4ソウ】【7ソウ】でリーチを宣言。

そして黒沢が、高目の【7ソウ】を一発ツモ。リーチ・ツモ・一発・三色の2,000-4,000。局進行そのものに価値があるこの場面で、叩き出した高打点はまさに値千金。勝利へと大きく歩を進める、決定的なアガリとなった。

そして、オーラスは元太が2着確保のアガリを決めて終局。

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