瑞原明奈、攻めの信念
迷いなき選択が導いた勝機
文・喜多剛士【木曜臨時ライター】2025年10月16日
首位を争うU-NEXT PiratesとEX風林火山に対し、昨年の覇者セガサミーフェニックスと下馬評の高かった新加入のEARTH JETSが、予想外の最下位争いを繰り広げる波乱の展開。残り試合数はまだあるとはいえ、100ポイント以上の差がついており、このままズルズルと引き離されるわけにはいかない。今日の一戦は各チームの好調な選手たちが揃い、どのチームもポイントを重ねたい注目の対決だ。
第1試合

東家:竹内元太(セガサミーフェニックス)
南家:石井一馬(EARTH JETS)
西家:内川幸太郎(EX風林火山)
北家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
東1局

6巡目の瑞原は形こそ苦しいが、仕上がったときの打点に照準を合わせ、ジュンチャンを見据えてペンチャンターツ2つを残す構え。

先制は親の元太。待ちはのフリテンだが、迷いなくリーチを宣言。

元太のリーチ直後、瑞原が引いたのは。ジュンチャン・ドラ1が見えるペンチャン残りのイーシャンテン。現物は
のみ、スジの
もあるが、後が続きそうにない。試合前に「押します」と語っていた瑞原は、残り13スジでリャンメン放銃率7.6%を意識していたかは定かではないが、打点と照らし熟慮の末に
を放つ。

瑞原の押しに応えるように、次巡でジュンチャン三色が確定するを引く。リーチ・ジュンチャン・ドラ1のテンパイに迷わずリーチ。

元太のが放銃となり、リーチ・ジュンチャン・ドラ1の8000点。手役に照準を絞り、押すべき牌を押し切った見事なアガリ。瑞原、幸先の良いスタートを切った。
東2局

満貫放銃スタートとなった元太が再び先制。待ちはカンながら、タンヤオ・赤・ドラで打点十分。迷わずリーチに踏み切る。

追いついたのは瑞原。ペンと待ちは苦しいが、ドラの
を雀頭に構え、打点も見込めるためリーチを選択。

しかし、瑞原がを放銃。元太がリーチ・タンヤオ・赤・裏ドラの8000点をアガリ、失点を取り返す一撃となった。双方が満貫を放銃し合い、点棒は4者が原点に回帰する展開となった。
東3局

親の内川は配牌でドラ2・赤1。リャンメン2つ残りの3シャンテンと、打点十分の勝負手が入る。

手牌は6ブロック。無駄なく進めるならトイツのを外す形だが、タンヤオを見てトイツ3つを残し、ポンやカン
のチーなど仕掛けの幅を広げる
切りを選択。

瑞原が三色確定のでテンパイ。高目
ならイーペーコーがついて12000。ここはダマテンを選ぶ。

内川も、瑞原が切ったドラのをポンしてテンパイ。タンヤオ・ドラ3・赤の
待ち。親の内川がドラ3確定、さらに捨て牌に
があることで、元太・一馬が瑞原への放銃リスクも残る緊迫の構図に。

しかし、内川に3枚目のが入り、瑞原に放銃。ピンフ・三色・ドラ・赤の8000点。開局から高打点の応酬が続き、そこに常に絡んでいるのは瑞原だった。
南2局

瑞原の配牌は、イーペーコーも見えるトイツ4つの難しい形。

面子手のリャンシャンテンながら、愚形残りやシャンポン待ちが濃厚。イーペーコー以外の役も見えにくい中、待ち頃の一枚切れのをツモったタイミングで
を外し、チートイツに一気に照準を絞る。この判断が、後の展開にどう繋がるか注目したい。

残していたが重なり、東待ちでテンパイ。「チートイツ」と書かれているような河ではあるが、迷わずリーチを選択。

山に2枚残っていたを一発でツモ。リーチ・ツモ・一発・チートイツ・裏2の3000-6000。瑞原、鮮やかな決断とツモで一気に抜け出す展開に。
南3局1本場

親の内川は、直前に一馬からリーチ・タンヤオ・ドラの7700をアガって勢いに乗る。配牌からはピンズの一通と、ドラのを引き入れて三色も見える手組。
