熱論!Mリーグ【Tue】
変幻自在の園田
精緻の朝倉、柔軟の亜樹
あなたの雀風に3つの処方箋
文・アホ東大(院)生【火曜担当ライター】2019年1月15日
1月14日終了時点でのチーム状況
赤坂ドリブンズ (2位+233.8)
EX風林火山 (1位+408.7)
セガサミーフェニックス (7位▲250.4)
U-NEXT Pirates (6位▲183.2)
1月15日の試合の感想は、濃かった。この一言である。濃すぎたため、私が厳選した3局をほどよく薄めて、あなたにお届けしたい。
一回戦目は、
の対決だった。
一回戦
《東3局0本場供託0本》
連続放縦により、東場の時点ですでに2200点まで落ち込んだ園田。
ここで、4トイツのソウズ多めの配牌をもらう。
少考の後、第一打をとし、朝倉の第一打をすぐさま鳴いていき、打。第一打の時点ですでにソウズのトイツは鳴くのを決めているように見受けられる。
この第一打の鳴きの速さには、AbemaTVの選び抜かれた精鋭のスイッチャーもついていけない。
その後、すぐに出た自風のも鳴き、再び打。
手にある最後のトイツのも鳴けて、打。ソウズのホンイツにいくか、ドラを重ねるかで打点アップを狙っていく。
手牌は最序盤ですでに4枚。たった4枚、されど4枚のこの手牌を使っての園田劇場が開幕する。
まず、この4枚の手牌にション牌のを引いてきて、ドラと入れ替える。
この時点で、周りの3選手からは、園田はソウズのホンイツに向かっていることが判明する。
松本の解説の通り、このの入れ替えはドラを鳴かれて押し返されるリスクよりも、が浮いている周りの選手に自由に打たせないかつ自分が重ねての打点アップのリターンが大きいと踏んでの一打。
園田の手は有効牌3種のイーシャンテン。そして自分がポンしているを引いてきて即断で加槓していく。
もちろん投げやりなノータイム加槓ではない。新ドラ。
このノータイム加槓の思考は、
①符が上がる、新ドラが増えることによる打点アップ。(自分があがる)
②すでにテンパイしているという意志表示のように見受けられ、現状4着目の園田には放縦したくないと思わせ、朝倉38200、滝沢28500、近藤31100と他3者の点数が肉薄しているため、攻めづらくさせる。(他者を止める)
この選択をノータイムで出来るのは、「鳴き」とは自分のアガリに近づくだけでなく、他者のアガリを遠ざけるという効果を理解し、常に思考を張り巡らせていることの表れである。
皮肉にも、ノータイムの選択には多くの思考が含まれているのだ。
このノータイム加槓には誰も立ち向かえない。3者の中で攻め入る可能性が最も高い親番が現在チームポイント1位のEX風林火山、滝沢であることも一つの要因か。
そして、新ドラを持ってきてと入れ替える。
手出しは、他3者にはほぼテンパイに見えるだろう。しかし、園田はこのイーシャンテン。を重ねる頃には、他の選手の手牌に切りきれないソウズがたまっていく。園田の目は、降りていく3者をしっかりと見ていた。
さらに、自分がポンしているを持ってきて二度目の加槓。もちろんこちらもノータイム。
新ドラは再び。
先ほどの加槓は、相手をおろす意味合いが強かったが、今回の加槓はツモ番を一回増やす意味が大きいだろう。
これには実況の小林も
「がダブドラになったぁ!!!!」
と声を荒げる。(多少の誇張表現)
終盤にやっとテンパイし、ダブドラのを手放して、・ホンイツ・トイトイの満貫テンパイ。周りはこの手出しにやられたと感じただろうか。しかし、時すでに遅し。
一見、超危険に見えるたった4枚の手牌で、危ない場面を迎えることなくアガりきった。