ギャンブルで
食っている人たち
「一生遊んで暮らしたい!」
作家の中場利一さんが、単行本「岸和田少年愚連隊」にサインしてくれた座右の銘です。
「できれば女かギャンブルで」 さすが愚連隊ですね。
実際にはこの企みはかなり難しくて、遊び慣れた中場さんといえども、作家として生計をたてているんです。
女のことは分かりませんが、運良くギャンブルで暮らせることがたまに起こることがあります。
私も若い頃に、たまたまギャンブルで食える事態に遭遇したことで、ギャンブル・ライターになってしまいました。
最初は二十代前半のゲーセン荒らし。
機械式のスロットマシンなどの攻略法を見つけて、理論上はいくらでも勝つことができました。
いずれも機械の特性の盲点を衝いた攻略法で、たとえば、目押しでオレンジを狙うと強制的にチェリーが出るゲーム機。
簡単ですよね。チェリーを出したい時はオレンジを狙えばいいんだから。
その因果関係をすべてマスターすれば百発百中、現金払い出し機と同じです。
問題は、百発百中でコインを出し続ければ、どこの店でも百発百中で出入り禁止になってしまう。
この構造は今も昔も変わりません。
私が銀玉親方時代の攻略法も同じでした。
知り合いの攻略プロは、攻略法が使える台は、1週間に2日しか打ちに行ってませんでした。 私も強烈な連チャン打法のある台は、地元ではなるべく目立たないように打ってました。
その代り、地方に遠征すると、玉の補給が間に合わないほど連チャンさせました。
開店直後に大当たり回数表示が、たちまち50回を突破して、店内が騒然となったりとか。
理論上はそこまで連チャンする攻略法じゃないんで、エラーによる表示なんですけどね。
このような「かっぱぎ時」に遭遇すると、
「一生遊んで暮らせるかも」
と、つい思っていまいます。
美味しい話は
いつまでも続かない
麻雀にもそんな美味しい時代がありました。大昔のイカサマOKの時代がそうだし、それよりも稼ぎは少ないものの、フリーで2ピンの東風戦が打てた時代がそうでした。
ただし、2ピンでも稼ぎはギリギリ。
通常の勝ち分に、雀荘の月間レースの賞金なども獲得しないと、胃が痛い思いをするワリにはたいした稼ぎになりません。
遊んで暮らすというのには、ほど遠いのが実態でした。
さて、現在はさらに厳しい状況になっています。
現実問題は別として、隠しカメラを使ったり、麻雀牌にICタグを埋め込んだりのイカサマをすれば、相手の手は分かるでしょう。
でもそんな大がかりな手間に見合うだけの、カモの獲得やレートアップを実現することのほうが難しいんです。
おそらく、賭け麻雀で楽に大金を稼いでいる人は、麻雀プロや雀ゴロやゴト師ではなく、起業家グループなどの金持ちサロンの一部の人だと思います。
羨ましいことに、麻雀で稼ぐ必要がない人たちです。
「そこに潜り込みたい」
ギャンブラーとしては当然の願望ですが、これが難しい。
腕が良くて勝率が高い麻雀打ちは、サロンの人たちから見るとガツガツしてるように見えてしまうんです。
当然排除されます。
これは昔の博徒の世界でも同じでした。
「アカ抜けねえ野郎だな、セコイ遊びをするんじゃねえ!」
旦那衆や博徒に嫌われると、ニ度と誘って貰えなくなるんです。
ギャンブルは勝率じゃない
勝ち金額がすべてだ
たぬに毎月ゲストで来て貰っている、最高位戦の村上淳プロの成績が凄い。
毎回書いて貰ってるブログによると、これまで約八百回打って、トップ率が30%超え、連対率が60%近くです。
ネット麻雀に比べるとやや少ないデータですが、それでもこの成績は立派。
「最強麻雀・リーチの絶対感覚」(村上淳著)によると、最近の麻雀打ちには珍しく、本人はメンゼン主義なのだそうです。
「デジタル世代は鳴き全盛で、フーロ率30%はザラですが、私はその半分以下だと思います」
最近は手数が多い打法が主流で、成績の良い人の平均アガリ点が低くなっています。
ネット麻雀などの膨大なデータを参考に、そのほうが有利だと判断しているんでしょうね。
「安いアガリでも、相手のアガリを事前に阻止するメリットも大きいハズ」