Mリーグ2018
ベストオブ【魚谷侑未】
21人のMリーガー名場面集
文・真中彰司
~に愛されたマーメイド~
さて、そろそろ皆さんの好きな選手の名場面集は公開されただろうか?
全部見たい!と考えてくれている優しい読者の存在に期待しつつ、今回もMリーグを振り返っていこう。
今回のピックアップ選手は、この人!
皆さんご存知の”最速マーメイド”こと魚谷侑未。
私が最も尊敬するプロ雀士の1人である。
昨年は日本オープン・王位という2つのオープンタイトルを獲得していたが、その反動かMリーグでは苦しい展開が続いた。しかし苦しいながらも、持ち前の負けん気の強さで随所に好プレーを披露してくれた。
それでは、魚谷の名場面を紹介していこう。
①4枚目のドラの意味 狙いすました単騎待ち
(10/18 第2試合)
まずは10月中旬、Mリーグ開幕直後の試合からピックアップ。
開幕戦で痛恨のハコラスを引いた魚谷が、巻き返しを狙った半荘だ。
魚谷は南3局で3着目。
ドラのが重なり、染め手も視野に入ったが、は既に2枚切れ。
染め手に必要なかも残り1枚と2枚だ。
それならば、と魚谷はを選択。
萩原のに合わせ打った感じを出しつつ…
次巡ので完全に受けを払ったように見せた。
字牌が出ていないため七対子には見えるが、単騎とは考えにくいだろう。
そして巡目こそかかったが、ついに狙い通りの単騎を実現させた。
は前巡に寿人が切っている。これは他家も止まらないか?
全国のゆーみんファンが、固唾を飲んでの行方を見つめていた。
って、自分でツモるんかい!
3000-6000で一気にトップに躍り出た魚谷は、そのまま逃げ切って自身初勝利。
所作も手作りも早い魚谷が、その緻密な打ち筋を見せつける一局となった。
②IQの荒波に揉まれたマーメイドの結末
(12/13 第1試合)
南3局でトップ目、局消化を目指して早々と2副露した魚谷。
トップから遠ざかっていた時期で、何が何でもトップが欲しいところだった。
カン待ちで最速のテンパイを入れた。
しかし、そこに風林火山が誇る軍師・勝又が立ちはだかる。
魚谷の当たり牌を暗刻にして、待ちの親リーチ。
もう1枚のはたろうの手の中。マーメイドは絶体絶命だ。
しかし、ここから魚谷が怒涛の粘りを見せる。
まずを引き入れ、とのシャンポン待ちに変化。
次にを引いて少考し、無筋のをプッシュしてカン待ちに。
1枚通れば2枚通る理論だ。更にやを引いての好形変化も見込める。
さぁ、アガれるか…?