【麻雀小説】中央線アンダードッグ 第59話:親番【長村大】

時を超え、おれは二十年前のことを思い出している。

あのときにおれを助けてくれたのもフリテンリーチだったことを思い、口の端で少し笑う。

今回もまた、助けてもらった。展開もあのときと少し似ている。カジがいるのも同じだ。

言うまでもなく、ゴトゴトと音を立てながら麻雀卓の中でかき混ぜられている牌は、そんなことは考えない。ただ順番に積まれていくだけである。

 

 

第60話(10月30日)に続く。

この小説は毎週土曜・水曜の0時に更新されます。

 

長村大
第11期麻雀最強位。1999年、当時流れ論が主流であった麻雀界に彗星のごとく現れ麻雀最強位になる。
最高位戦所属プロだったが現在はプロをやめている。著書に『真・デジタル』がある。
Twitterアカウントはこちら→@sand_pudding
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