を切った!ドラがなのに!
何度紹介したかわからないが、村上お得意のターツ早め見切り戦術だ。
は魚谷の安全牌で残しておきたくて、逆にドラそばのは全員に危険。
そしてを先に払うことにより…
他家のリーチに対し、万全の態勢で構えることができる!
一打一打、ウンウン唸りながら打つ村上の姿はやはり真剣そのもの。
いや誰もが真剣なのだが、その真剣さがダイレクトに伝わってくるのだ。
スリムに構えたおかげでこのイーシャンテンまでこぎ着けることができた。
しかし、次に危険牌を引いて渋々オリた。
そして苦しかったのが黒沢だ。
魚谷のリーチに対し、筋の、ワンチャンスので凌いでいたが、完全に手詰まってしまった場面。
牌図を見てもらおう。
村上と小林は完全にオリている。
通りそうな牌のヒントすらなく、何も切りたくない場面だが、何かを切らないといけない。
普通に考えたら2枚あるか?か?
もも危険度的にそう変わらない。
私なら、万が一テンパってアガリがあったときに満貫になるように、そして一応端っこであること、などの理由で、を選びそうだ。
そしては
魚谷の親満にストライク!だ。
黒沢は1分を超える長考に沈む。
何を考えていたのかを、本人に聞いてみた。
「本当に迷いました。かどちらかがきっと当たると思ったので、いっそピンズとかを切ったほうがいいかなとも」
しかし迷いに迷った末に黒沢が出した答えは…
だった。
間一髪、12000をかわしたのだ。
魚谷の渾身の親リーチは空を切り、黒沢は3着を死守した。
2着は小林、そして村上がトップで終わった。
ポン・チー1000点をウリにしている小林がいれば、全く動かない黒沢がいる。
鼻息荒い村上がいれば、凛と前だけを見ている魚谷がいる。
他にも合わせて29人、それぞれ個性的な打ち手が揃っているのがMリーグだ。
その個性と個性がぶつかり合うから面白い。
必ず自分の性分に合った選手がいるはずなので、みつけると自然と応援したくなってくる。
するとMリーグがますます面白くなってくるはずだ。
まだまだレギュラーシーズンは1/3を通過するところである。
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」