熱論!Mリーグ【Sat】
100日後でも変わらない!
萩原聖人のブレない意志と
雷電の麻雀が面白すぎる件
文・渡邉浩史郎/2020年3月21日
セミファイナルに入ってからのMリーグは連勝が目立つ。
特に初戦でそれぞれ連勝を決めたサクラナイツとパイレーツの勢いには要注目だろう。
だが、どこかが連勝しているということは、逆に負けを背負っているチームがあるということも意味する。
それが雷電だ。
セミファイナルが開幕した月曜、そして火曜・金曜…と全戦3着、4着(俗にいう逆連対)続きで来ており、非常に苦しい戦いを強いられている。
一戦目に出た瀬戸熊もラスを引いてしまい、ファイナル進出に向けていよいよ後がなくなってきた。
セミファイナル開幕時にはこうだったポイントが……
本日1戦目を終えた段階ではこうなっていた。もうすぐ半分を消化しようかというところだがパイレーツにも抜き去られ、戦線からかなり遠のいてしまった。
負けられない戦いで出てきたのは萩原聖人。予選こそ不本意な結果に終わったが、この男ならきっと何かやってくれるはずだ。
それを迎え撃つ面子やよし、どのみち彼らを越えずして優勝はないのだ。チームとファンの想いは萩原の双肩に託された。
1戦目
南家 小林剛(U-NEXTパイレーツ)
しかしこの半荘、背負う萩原の意志とは裏腹に、東場の主導権を握ったのは小林だった。
東2局1本場、白鳥の満貫確定リーチを躱す、値千金の単騎ツモから始まり。
東2局2本場では親番でホンイツ・ドラの7700は8300を白鳥から出アガリ。
東2局5本場では白鳥の先制リーチに追っかけて、同じく白鳥から一発で満貫の出アガリ。五本場+供託2本もついてくる。
東4局の時点で、トップとラスが突き出る縦長の展開になった。
もちろん、萩原とてただ座っていたわけではない。
東2局2本場ではこの牌姿から……
打!両面を落としていった!
自身の手牌に赤もドラもなく、国士無双気配の白鳥も持っていなさそう。となると、残り二人の手牌に固まっている可能性が大いにある。そんな中で、場に高いピンズ(特に片方はドラ)を落としていく平和のみのイーシャンテンに固執するよりは、ピンズを残すことで押し返せる打点と後の選択の余地を見た、柔軟な受けの選択だ。
その後に内川から超大物手のリーチが飛んでくるも……
先ほどの選択が功を奏し、ピンズの当たり牌を吸収してテンパイ。
テンパイ料の獲得に成功していた。
なんとか食らいついているとはいえ、なかなかまとまらない手牌に苦しむ展開が続いているのも事実だ。セミファイナルに入ってからの雷電はいつもこの展開に悩まされてきた。
「ああ、いよいよ厳しいか…」
もしかしたらそんな憂いが雷電ファンによぎったかもしれない。
しかし、ここから試合の風向きが変わりはじめる。
【東4局】
ここまで手牌がまとまらなかった萩原に速いテンパイが入る。
役無し・ドラ無しのテンパイ。ここは……
打として外していった。三色・一気通貫等の手役も見えるこの手牌でこの巡目、より良いテンパイを目指していく。