そして、リーチ者の瑞原から見事を仕留めた。
特筆すべきは、勝又は瑞原のリーチを受けてからほぼノータイムで打牌を選択している点だ。
Mリーグは視聴者のことを考えて、なるべくスムーズな進行を推奨している。
大事なところで考えるのはもちろん大歓迎だが、正直「えっ、こんなところで考えるの?」という場面も見かける。
その点、勝又は今回のように難しい局面でも、迷わず打ち進めることが多い。
毎巡膨大な量の情報を高速で処理しているのだろう。
どの選手も勝又を見習って・・・と言いたいところだが簡単にできる芸当ではないかもしれない。
その後、勝又が岡田にマンガンの放銃。
ラス目瑞原のツモアガリなどもあって迎えたオーラス。
まずは勝又がテンパイ。
ここは慎重に時間を使ってダマテンとした。
だと役はないがならアガれるテンパイだ。
そして次巡ツモ切りリーチに踏み切った。
このツモ切りリーチの意図は難しい。
ダマテンにしようと思ったけれど、1巡の間にリーチのほうが良いと思い直したか、敢えてツモ切りリーチにすることで字牌や端牌は通りやすいと思わせたかったかのどちらかだろう。(端牌待ちなら普通は即リーチするため)
そこに親の茅森がドラのを切って追っかけリーチ。
もしドラで放銃したら3着になってしまう可能性がかなり高い。
しかし自身のトップのためにここは勝負だ。
結果は勝又がを掴み茅森へ放銃。
裏も乗って7700だ。
もしダマテンに構えていたらアガリがあっただけに、勝又にとっては手痛い放銃となってしまった。
続く1本場ではラス目の瑞原がマンガンをツモ。
2着まで浮上してゲームセット。
1位 茅森 早香 +54.6pt
2位 瑞原 明奈 +3.4pt
3位 岡田 紗佳 -17.0pt
4位 勝又 健志 -41.5pt
茅森が要所でアガリを決めて見事なトップを取った。
・・・と言いたいところだが、今日の茅森は正直言ってあまり出来が良くなかった。
東2局
ここからをツモ切り。
確かには一見不要に見える。
しかしを切ってめいっぱいに構えておくと先にを引いたときに、
のような形になり、を切ればカンやカンの受けが増える。
自分の手はドラドラでまだ3巡目。
この変化は逃したくないはずだ。
東2局2本場
ここからを残して切り。
マンズの部分がリャンメンなら話は分かるが、今回は1枚切れのカンチャン。
マンズが重なっての受けや、先にを引いてマンズを切る選択など、は切ってはいけない牌だろう。
茅森はリーチをメインに手を進める打ち手だ。
自分の手に価値がないならばスリムに構えることが多いが、今回はどちらも価値の高い手だ。普段ならこれらの選択を逃すことは考えにくい。
何か消極的になってしまう理由があったのだろうか?
少し心配になってしまうが・・・
インタビューではいつものフェニックスポーズで笑顔を見せてくれた。