次巡、石橋からが打たれた。
試合結果がアナウンスされ、和久津は噛みしめるように深く頷いた。まばたきの多さは、もしかしたら、涙をこらえていたのかもしれない。
勝利者インタビューでインタビュアーの松本圭世さんから
「Mリーグはどうか?」
と聞かれ、和久津は
「目が多い」
と答えた。Mリーグは本当に多くの人々に見られる試合で、和久津に対しては少なからず厳しい意見も出ていた。真面目でSNSでの対応も細やかな和久津は、そうした声も見て見ぬふりはできなかっただろう。ともすればプレッシャーに負けてもおかしくない、そんな状況だった。
しかし、ここまで敗れ続けた彼女を応援し、信じてくれる人たちがいる。その思いは、重圧を力に、そして勇気に変えてくれる。それを身に染みて感じていたからこそ、和久津は最後まで戦い抜けたのだと思う。そして期待に応えられた達成感、充実感には格別のものがあるはずだ。
和久津晶の「セガサミーフェニックス」ポーズ。
応援してくれた、支えてくれた人たちが最も見たかった瞬間だ。
セガサミーフェニックス公式twitterが試合後にアップした動画。
アマゾネス帰還‼️
おめでとう㊗️ pic.twitter.com/FFMrwonYMA— セガサミーフェニックス (@SEGASAMMY_PNX) December 20, 2019
和久津
「今日、最後のこの大事な試合を私に行かせてくれて、本当にありがとう」
チームメイト・スタッフ・そしてファン・サポーターの気持ちを代弁するなら、この言葉になるだろうか。
-勝ってくれて、ありがとう-
さて、この日をもってMリーグは中断期間、ヨーロッパサッカー風に言うと「ウインターブレイク」に入る。年明けの初戦は1月6日、2週間ちょっと時間が空くわけだが、キンマwebではその間もコンテンツを用意していくとのことなので、ぜひ中断期間中もキンマwebのMリーグ記事をお楽しみいただければと思う。
また年末年始は世間が長期のお休みに入ることから、麻雀を打つ人が増える時期でもある。せっかくなので、この時期に友人や知人、職場の同僚、あるいはMリーグつながりで知りあった人たちなどと卓を囲んでみるというのもいいかもしれない。普段あまり牌を握らない人であれば、実際に経験してみることでMリーガーのすごさなどが分かるかもしれないし、よく打つ人であれば、小林剛の鳴き、黒沢咲の「セレブ打法」など、特徴的な麻雀を真似してみるのも興味深いのではないかと思う。
年末年始、筆者は「飲む・打つ・買う」ならぬ
・読む(麻雀本を)
・打つ(麻雀を)
・書く(麻雀原稿を)
という日々を送る予定です。いろいろなところで麻雀を打ちたいと思いますので、同卓の際はお手柔らかに。
差し入れは8000点から受け付けています。
東川亮
赤入り麻雀、東天紅(三人麻雀)などを愛する、さいたま市在住の麻雀ファン。本業はフリーのライター。飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」にて、オーナーである麻雀解説者・梶本琢程氏との接点が生まれ、その縁をきっかけとしてキンマWebにてライター活動を開始した。
ひがし@Twitter