パイレーツを高みへ導く
鈴木優の麻雀
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2024年5月13日
第2試合
東家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
南家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
北家:二階堂瑠美(EX風林火山)
今シーズンのMリーグも、残りあと1週間。
まだ1回も役満が出ていない今シーズンだが、東4局に大三元が出るかもしれないシーンがあった。
5巡目、をポンしている堀にとの対子が入る。
当然、狙うは大三元だ。を対子で落とし目一杯に構える。
残り7戦となった今、サクラナイツは何としてもトップが欲しく、かつ首位のパイレーツのトップだけは阻止しなければいけない。
そして東3局に4,000オールを決めた優が現状トップ目。
堀と優の点差は9,200点なので、大三元はもちろん対々和・小三元など満貫以上のアガリでも充分に嬉しい。
を1枚切って、次巡はをツモ切り
その次巡に2枚目のを切る。
2枚目のを立て続けに切らなかったのは、の対子落としを見せないことで、三元牌や他の牌が鳴ける可能性を高めたい意図がある。
本当ならもう少し引っ張りたいだったと思うが、を引いたことで受けができたのでを切る。
この対子落としが見えたことで、場に緊張が走る。
直後、優が引いたのは初牌の。
を対子で落としているということは、優の手の中は4s対子より必要なターツだけで構成されていることになる。
ドラのを複数枚持っているケースが思い浮かぶが、直前に太がを切っており、ポンの声がかかっていないので可能性としては低い。
序盤からソーズ・マンズ・字牌・ピンズと手出しで切っているのでホンイツでもなさそう。
そうなると、怪しいのは場に一枚も見えていない三元牌を使った、大三元や小三元である。
優は現状トップ目で、このを切らずに迂回する選択も充分にあり得る。
ただ自身の手が非常に手広いイーシャンテンで、まだトップが確約されているような点差でもない。
優の手には赤が無いため、赤を2枚以上持った役牌×2の手などあり、少なくともまだイーシャンテンである可能性もあるため、強気にを切る。
このに、当然ポンの声がかかる。
ポンからの打。現状は大三元のイーシャンテンだが、他家から見るとテンパイが入ったように見えてもおかしくない。
直後、太にテンパイが入る。
役無しの待ち。
太も堀の仕掛けが危険であることは察している。しかしだからこそ、じっと指をくわえて見ているわけにはいかない。
ドリブンズはポイント状況的に、どのチームよりもトップが必要な状況にいる。仮にここでオリて大三元をツモられてしまうと、トップは遠のいてしまうので何も良くない。
であれば先にアガり切ってしまって、相手のアガリを潰す方がトップを取れる可能性が高い。
を切りリーチを宣言する。
このを、堀がカンチャンでチー。
大三元ではないが、待ちの満貫テンパイだ。
もしを引けば大三元テンパイに取れるし、が出ればポンして裸単騎に受けるのも面白い。
太・堀のめくり合いになるかと思われたが、3人目が現れる。
優がドラのを重ね、テンパイを入れる。