純米大吟醸Hitman予約開始
松本吉弘の完璧な仕事
文・坪川義昭【金曜担当ライター】2023年11月17日
『今日は観戦記者だから、あまり凝ったものは作れないな』
昭和の日本で夫というのは大黒柱であり、仕事をして稼ぐのは男の役目。妻は家を守るために家事をする。
そんな考えは古くなった。
令和では亭主関白の文化は薄れ、家事の役割分担というものができた。いや、出来てしまった。
夫の権力は薄れていき、やれゴミ出しだ。やれ洗い物だ。せっせと働かなくてはいけないものなのだ。
多分に漏れず我が家も食事の用意は私の役目である。
普段は仕事終わりにスーパーに寄り、食材を購入してMリーグを観ながら料理をするのが日課だ。
第2回戦
東家:二階堂亜樹(EX風林火山)
南家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
西家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
北家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
しかし、観戦記の依頼を受けた日は少し違う。
しっかりと闘いを見届けて記事にするべく料理をしている場合ではない。
そそくさと値引シールの貼られたお刺身をレジに通し帰宅した。
東1局
配牌から一本道の手牌を完成させる。
6000オールのギフトだ。
麻雀というのは常に難しい選択をクリアし続けるゲームではない。今回のような誰でも同じじゃないか!という手も勿論やってくる。
このリードを使ってどうゲーム展開していくかが鍵になるのだ。
この局渋谷ABEMAS、松本吉弘の選択が面白い。
手牌だけ見るとに手をかけそうだが、他家のスピード感を感じとり受け牌を入れる隙間を作ろうとしている。
を切るとドラがなのでの引っ張り時が難しくなってしまい、堀の現物も無くなってしまう。
こうすることによって全方向からリーチが来ても万全の構えになるわけだ。
細かいプレーだが、相手との速度感がビッタリとハマっている。
東1局2本場
早々に松本がドラを重ねてイーシャンテンになる。
いつ単騎でリーチとなるかと思っていたら、手牌が急成長。
トイトイで仕掛けるには弱い部類の対子が多かったが、こうなると話は別だ。
いつでもポンテンの構えだったが自力で完成させてしまった。
役満の魅力はあるものの、出アガリでも倍満ならば闇夜でバッサリといくのがHitmanだ。
イーシャンテンのセガサミーフェニックス、魚谷侑未が討ち取られる。
これをヤミテンにされたら、止める術がない。
東2局1本場
松本に早い手が入った。
すかさずをポンして捌きを入れるのが彼のバランス感覚だ。
トップまではまだ1万点あるが、リーチの一点張りで攻め込む程の手牌ではない。この見切りの良さこそベストバランス。
KADOKAWAサクラナイツ、堀慎吾からリーチが入るのだが
一度のツモ番も与えずに局を消化することに成功する。
東3局