一瞬でツモ切る。ここまでわずか0.8秒。
順位争いの相手からリーチがかかったら、普通は少しでも考えるはずだ。
それでも寿人は迷わず押しを選択。

親の日向もラス目のため、無筋を切っていくしかない。

マンズを落としながら、形を組み替えていく寿人。

海底も見えてきたが、ここでを切ればテンパイの形に。

さすがに一瞬考えるしぐさを見せる。

やはりは切れないが、テンパイは取りたい。
というわけで暗槓を選択。嶺上牌を持ってくると…

生牌の!
親の日向にも切りにくい上に、南家の近藤にはダブで更に切りにくい。

や
を切って降りるしかないか…
誰もが考え込みそうな局面。

「リーチ」
100人居たら90人が降りるであろうその牌は、わずか0.5秒でツモ切られた。

「こっちはカンしてるんだ。リーチしかないだろ?」
黙って結果を見ているだけの選択肢は、寿人には存在しない。

そのを日向がポンして、
を切ると…

近藤のツモは!

寿人が値千金のアガリで、久々のトップをもぎ取った。

オーラス3本場のリーチは「自分で決めに行った」と、簡潔に言い切った。
ノータイムの動作に、全く変わらない表情。
大胆不敵にポイントを削り取る魔王・佐々木寿人が帰ってきた。
昨シーズン以上の、麻雀格闘倶楽部の追い上げが見られるかもしれない。
\近代麻雀シリーズ 新刊情報/