Mリーグ2022-23ドラフト指名会議にてU-NEXT Piratesが1巡目指名したのは、最高位戦日本プロ麻雀協会の現最高位・鈴木優。
鈴木は、一度は最高位戦日本プロ麻雀協会に入会するも退会。その後のアマチュア時代には麻雀最強戦で幾度も決勝まで勝ち残るなど活躍し、いつしか「最強戦の申し子」という異名で呼ばれるようになった。
2009年に最高位戦日本プロ麻雀協会に復帰、東海支部の支部長を務めるまでになると共に、2021年には念願だった自団体の頂点「最高位」のタイトルを獲得。
また、オンライン麻雀「天鳳」では東風戦だけで九段まで到達するなど、オンライン麻雀への造詣も深い。リアルとオンライン、両方で強さを発揮する鈴木が、パイレーツの一員としてMリーグに挑む。
─今の率直なお気持ちをお聞かせください。
開幕が待ち遠しいです。
─今回、自分が指名されるかも、という自信や手応えはありましたか。
Mリーグのドラフトでいろいろな方が候補に挙げてくださっていましたが、手応えはあまりありませんでした。去年最高位を獲得し、その後いろいろなチャンスをいただいたのですが、そのどれもでなかなかいい成績を残せず、最高位を獲った後にもう一つ何か大きなものを獲ってMリーグの舞台に近づくように、という気合いが空回りしてしまった部分もあるかもしれません。
─Mリーグの印象については。
以前は、テレビの前で見るものでした。麻雀ファンの方も所属団体の選手も、Mリーグの話をしない日がない、くらいの盛り上がりは感じていましたが、どうしても自分の手が届く場所ではありませんでした。しかし最高位を獲ったことをきっかけに初めて解説で呼んでいただけて、実際に対局会場に入らせてもらうとか、ドラフトの指名候補に名前を挙げていただけるなどして、徐々に近づいてきた感じはありました。これからは実際にあの卓につくことになるので、自分が成長するため、経験を積むために必要な場所だと思っています。
─実際にMリーグで戦うイメージは湧いていますか。
Mリーグ自体は、かなりの数を見てきました。特に最高位を獲った後はよりMリーグを必ず見逃さないようにしていましたし、見方も変わり、各選手の打ち筋や成長度合いなどを重点的に見るようにしています。イメージは、とてもよくできています。
─今は東海地方を拠点に活動されていて、地方を背負う意識もあるのでは。
最高位戦には東海支部というものがありまして、今は支部長をやっています。自分が最高位を獲ったときや、先ほどMリーグのドラフト指名を受けたときには、ものすごい数の祝福がありました。やはりみんなも最高位やA1リーグ、Mリーガーを夢見ていると思いますけど、不可能だと思わず努力次第で、僕の場合はタイミングやラッキーも重なりましたが、地方選手であっても麻雀は十分強くなれますし、練習も自分でいっぱい時間を見つけて積み重ねてチャンスを待てば、地方にいてもA1リーグ・最高位・Mリーガーも夢じゃない、現実的なものだということを、自分が示すことができたと思います。東京にいないと厳しいみたいな声がある中で、自分が最初にそういう選手になれて、とても良かったと思います。
─ファンの方に向けて、意気込みをお願いします。
U-NEXT Piratesは選手が2人入れ替わることになり、昨シーズンとはガラッとチームカラーが変わると思います。新生パイレーツ、打点力があってトップを取れるパイレーツ、という部分を僕に期待されていると思いますので、僕はチームのホームランバッターを目指しています。三振が続いてしまうこともあるかもしれませんが、それでも自分の麻雀スタイルを崩さずしっかりと踏み込んで、成績が出ないからといってちょっとした不ヅキだけで変えずにホームランを狙っていきますので、温かい目で見守っていただけたらうれしく思います。これからもよろしくお願いいたします。
鈴木優Twitter:
https://twitter.com/yu_suzuki_ABC
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。