11月18日金曜日、映画「麻雀最強戦 the movie」がシネマート新宿で公開初日を迎えた。
上映に先立って、原澤遊風監督と麻雀プロによる舞台挨拶が行われた。初日は瀬戸熊直樹プロ(現最強位)、黒沢咲プロ(TEAM雷電)、丸山奏子プロ(赤坂ドリブンズ)。3人ともMリーガーで今年の麻雀最強戦のファイナリストである。
この映画の撮影が始まったのは約2年前。予選のインタビューが始まった時点では誰が最強戦で勝つのかわからない状態だった。
瀬戸熊プロは「シナリオのないドキュメンタリーなので撮影しているときはあまり期待していなかったけど、出来上がったら自分が主人公で(笑)、自信をもっておすすめできる作品になりました」と作品を紹介。
黒沢プロは「臨場感があって、自分がそこにいるような気持ちになれます。映画を見る皆さんも『自分もいつかはあの場に』という気持ちになってくれたらと思います。今年、私はD卓で、渋川難波プロが私へのリベンジに燃えているのが怖いけど頑張ります」と語った。
丸山プロは「昨日ドリブンズがMリーグで連勝したのでみなさんの前に来られて光栄です」と満面の笑顔。「選手の思いがちりばめられていて、熱を感じました。ここで自分の中に燃えた火を大きく育てて今年のファイナルに臨みたいです」と意気込みを語った。
映画には40人を超える麻雀プロが登場し、最強戦への思いを語っていく。特に2021年最強位の多井隆晴プロの「最強位という言葉を口にして広めていく」という言葉と行動は胸に響く。また、金太賢プロ&近藤誠一プロ(2人とも元最強位)の漫才のようなユーモアたっぷりの解説、すでに鬼籍に入られた小島武夫プロ、飯田正人プロの闘牌シーンもあり、見ごたえ十分だ。
決定戦のシーンは当時の生放送の様子がそのまま流れ、映画館全体に乾いた牌の音が静かに響く。観客の全員が結果を知っているはずなのにかたずをのんで見守っている。
そして決着。実況の日吉辰哉プロの絶叫が響いたとき、会場のあちこちからすすり泣きの声が聞こえた。
シネマート新宿の定員は333人。エンドロールを最後までみんなで見届けたのち、誰からともなく大きな拍手が沸き起こった。
「1年間、僕は最強位としてすべての予選の試合を振り返り配信してきた。ファイナルはご褒美として本当に楽しんで麻雀をしたい」
と語った瀬戸熊プロ。
今年の麻雀最強戦をより一層楽しむためにも、この映画は麻雀ファンの皆さんにぜひ見ていただきたい。