復活の天開司
地獄の底で
燃え上がった炎は
グラディウスを導く
燈火(とうか)となる
神域リーグの主催者、天開司。
麻雀を愛し、この麻雀プロも交えた大規模な私設リーグを作り、自ら盛り上げようと努力するVtuber。
そんな天開司の、今年は。
まさしく、地獄だった。
当たり牌を当然のように掴み。
選択は悉く裏目り。
渾身のリーチは空振り続ける。
不運を背負い続けた彼は、対局後に音信不通になったことすらあった。
自らが麻雀が好きだという気持ちで始めたのに、こんな仕打ちを受けてはそうなるのも当然だった。
天開はそれでも麻雀に対して真剣に取り組んだ。
どれだけの理不尽を受けて尚、必死に藻掻き続けたのだ。
セミファイナルは第1試合を終え、グラディウスは風見が奮闘したものの、ゼウスの天宮に僅かに上をいかれ、5位ゼウスとの差は縮まっている。
その差僅か37.3pt。
この第2試合は間違いなく、セミファイナルの分水嶺。
地べたを這いつくばり、その槍は折れかけた。
さあ天開司。
もう一度立ち上がり、チームを導く力は残っているか?
セミファイナル第2試合
東家 桜凛月 (チームゼウス)
南家 天開司 (チームグラディウス)
西家 鈴木勝 (チームアトラス)
北家 或世イヌ (チームアキレス)
東1局
まず開幕1枚目から動いたのは或世だった。
この神域リーグで或世の代名詞ともなったホンイツ。しかしそれはもう、ただガムシャラに向かうだけではなくなった。
今回も、役牌のがあること、ドラがピンズであることからピンズの染め手を選んだ。
も当然のように切っていく。
そのに声をかけたのが。
ゼウスの桜だった。
バックの仕掛け。ドラが鳴けるのであればと前に出る。
ここで桜がトップをとれば、ゼウスはファイナル進出に大きく近づくことができる。
しかしこの局は桜の頼みの綱であるが或世に持たれていたのが痛かった。
が或世に捕まり、桜は3900の失点。
東2局
親番を迎えた、天開。
良い形が残っているとは言えないが、なんとかイーシャンテンまでたどり着いた。
ここは打。が出て行ってしまうカンの受け入れは拒否して、ドラは最低1枚使う構え。
テンパイ……だが、直前に勝からリーチが入ってしまった。
リーチの一発目。出ていくのは、。を自身で3枚使っていることから、は勝にとても怖い。
更に、自分はカンと待ちが悪い。
少しでも気持ちが弱い方に流れれば、リーチができなくなる、そんな場面。
天開が、目を閉じ、大きく息を吐いた。